专利摘要:
種々の容態及び疾患の治療、予防及び管理において有用な化合物を含む固体形態を本明細書に提供する。特に、ヒト免疫不全ウイルス感染を含むがこれに限定されるわけではない容態及び障害の治療、予防及び管理についての有用性を有するその塩を含む(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを含む固体形態を本明細書に提供する。 なし
公开号:JP2011515498A
申请号:JP2011502083
申请日:2009-03-27
公开日:2011-05-19
发明作者:エム.;モウスサ アデル;シェング クイアオホング;エイチ.;オ’ネイルル ミケ
申请人:イデニク ファルマセウチカルス インコーポレーテッド;
IPC主号:C07F9-32
专利说明:

[0001] 1.関連出願の相互参照
本願は、それらのすべての内容が全体として本明細書に組み込まれている2008年3月27日に出願された米国仮特許出願第61/072,349号、2008年4月10日に出願された第61/043,841号及び2009年2月26日に出願された第61/155,869号の利益を主張する。]
[0002] 2.分野
ステレオマー的に(stereomerically)又は鏡像異性的に純粋な(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩を含む固体形態を本明細書に提供する。また、該固体形態を含む医薬組成物、該固体形態を製造する方法、並びに種々の疾患及び/又は障害の治療のためのそれらの使用方法も本明細書に提供する。]
背景技術

[0003] 3.背景
インドール、ヌクレオシド及びこれらの類似体は、ヒトを含む哺乳類におけるウイルス感染の治療に使用されてきた。哺乳類に感染し、かつインドール、ヌクレオシド又はこれらの類似体若しくは誘導体を含む医薬組成物の投与によって治療可能なウイルスには、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ペスチウイルス、及びフラビウイルスを含む(Moennigらの文献(Adv. Vir.Res. 1992, 41:53-98);Meyers及びThielの文献(Adv. In ViralRes. 1996, 47:53-118);Moennigらの文献(Adv. Vir.Res. 1992, 41:53-98);Halsteadの文献(Rev. Infect. Dis. 1984, 6:251-64);Halsteadの文献(Science 1988, 239:476-81);Monathの文献(New Engl. J. Med. 1988, 319:641-3))。]
[0004] Idenix Pharmaceuticalsに対するPCT公報第WO2004/014364号は、高い抗HIV活性を示すあるクラスのフェニルインドールを開示している。これらの化合物は、インドール官能性のフェニル環及び/又はベンゾ環における少なくとも2つの部分と置換される。加えて、これらの化合物は、該化合物のインドール基の2位にカルボキサミド官能性を有するいくつかの置換体を組み込んでいる。]
[0005] また、Idenix Pharmaceuticalsは、HIV及び/又はエイズの治療のための、ホスホフェニルインドールを含む別のクラスのフェニルインドール化合物を開示した(US2006/0074054及びWO06/054182)。]
[0006] HIV感染が世界規模で流行性レベルに到達し、感染した宿主に悲惨な効果を及ぼすという事実に照らし、これらのウイルス感染を治療するための、新たなかつ有効なしかし毒性の低い医薬剤を提供する強い需要が依然として存在する。]
課題を解決するための手段

[0007] 4.要約
(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル(I):



又はその塩を含む、非晶質形態及び結晶形態を包含する固体形態を本明細書に提供する。]
[0008] ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶形態を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶形態の多形を本明細書に提供する。]
[0009] (2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩の含水及び無水の両結晶形態を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの無水結晶形態を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの無水結晶形態の多形を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの溶媒和物を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの溶媒和物の多形を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの水和物を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの水和物の多形を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの一水和物を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの一水和物の多形を本明細書に提供する。]
[0010] ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの非晶質固体形態を本明細書に提供する。]
[0011] ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体との混合物の結晶形態を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体とのラセミ混合物の結晶形態を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体との混合物の結晶形態の多形を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体とのラセミ混合物の結晶形態の多形を本明細書に提供する。]
[0012] また、前記固体形態を含む医薬組成物も本明細書に提供する。ある実施態様において、本明細書に提供する結晶形態、結晶塩形態、塩形態の多形、塩形態の溶媒和物、塩形態の水和物、又は非晶質形態を包含する固体形態;及び/又は医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤、若しくは担体を含む医薬組成物を本明細書に提供する。]
[0013] さらに、ペスチウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘパシウイルス感染、及びヒト免疫不全ウイルス感染を含むがこれらに限定されるわけではない容態及び障害の治療、予防、及び/又は管理のための前記医薬組成物の使用方法を本明細書に提供する。ある実施態様において、下記の容態又は障害:ペスチウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘパシウイルス感染、及びヒト免疫不全ウイルス感染のうちの1つ以上の治療、予防、及び/又は管理のための方法を本明細書に提供し、ここで、該方法は、本明細書に提供する治療的及び/又は予防的有効量の固体形態を、該治療、予防、及び/又は管理を必要とする対象、例えばヒトに投与することを含む。ある実施態様において、ペスチウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘパシウイルス感染、及びヒト免疫不全ウイルス感染を含むがこれらに限定されるわけではない容態及び障害の治療、予防、及び/又は管理のための方法であって、該治療、予防若しくは管理を必要とする対象、例えばヒトに及び/又はかつ本明細書に提供する予防的有効量の固体形態を投与することを含む該方法を本明細書に提供する。]
[0014] 加えて、本明細書に提供する固体形態を製造し、単離し、及び/又は特徴づける方法を提供する。]
発明の効果

[0015] ある実施態様において、本明細書に提供する固体形態は、動物又はヒトにおける使用のための製剤の製造のための活性のある医薬成分として有用である。ある実施態様において、最終的な薬物製品としてのこれらの固体形態の使用を本明細書に提供する。ある実施態様において、本明細書に提供する結晶形態、非晶質形態、及び最終的な薬物製品を含む固体形態は、例えば、先に列挙した容態及び障害の治療、予防又は管理のために有用である。]
図面の簡単な説明

[0016] 図1Aは、形態IのX線粉末回折を提供する;]
[0017] 図1Bは、形態Iの示差走査熱量測定(DSC)-熱重量分析(TGA)の重ね合わせを提供する;]
[0018] 図1Cは、形態Iの可変温度X線粉末回折を提供する;] 図1C
[0019] 図2Aは、形態IXのX線粉末回折を提供する;] 図2A
[0020] 図2Bは、形態IXのDSC-TGAの重ね合わせを提供する;] 図2B
[0021] 図3Aは、形態VIIIのX線粉末回折を提供する;] 図3A
[0022] 図3Bは、形態VIIIのDSC-TGAの重ね合わせを提供する;]
[0023] 図3Cは、形態VIIIの可変温度X線粉末回折を提供する。]
[0024] 図4Aは、形態IIIのX線粉末回折を提供する;]
[0025] 図4Bは、形態IIIのDSC-TGAの重ね合わせを提供する;及び]
[0026] 図4Cは、形態IIIの可変温度X線粉末回折を提供する。] 図4C
[0027] 図5は、形態IのX線粉末回折パターンを提供する。] 図5
[0028] 図6は、形態VIIIのX線粉末回折パターンを提供する。] 図6
[0029] 図7は、形態Iの赤外スペクトルを提供する。] 図7
[0030] 図8は、形態Iの赤外スペクトルを提供する。] 図8
[0031] 図9は、形態VIIIの赤外スペクトルを提供する。] 図9
[0032] 図10は、形態VIIIの赤外スペクトルを提供する。] 図10
[0033] 図11は、形態VIIIの赤外スペクトルを提供する。] 図11
[0034] 6.詳細な説明
哺乳類におけるウイルス感染、例えばHIV感染の治療のための物質の組成、使用方法、及び医薬組成物を本明細書に提供する。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの固体形態、これらの固体形態を含む組成物、並びに宿主における感染の治療又は予防のための該固体形態及び組成物の使用方法を本明細書に提供する。加えて、該固体形態の製造方法を本明細書に提供する。]
[0035] 6.1 定義
本明細書で使用されるように、用語「純粋な」は、キラル化合物に適用される場合、該キラル化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない(すなわち、鏡像異性体過剰にある)該キラル化合物の鏡像異性体を指す。例えば、化合物の純粋な「R」形態は、該化合物の「S」形態を実質的に含まず、従って、「R」形態の鏡像異性体過剰にある。用語「鏡像異性的に純粋な」又は「純粋な鏡像異性体」は、該化合物が過剰量の鏡像異性体、例えば、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、98.5重量%超、99重量%超、99.2重量%超、99.5重量%超、99.6重量%超、99.7重量%超、99.8重量%超、又は99.9重量%超の鏡像異性体を含むことを示している。ある実施態様において、該重量は、該化合物、すなわち該化合物のすべての鏡像異性体の総重量に基づいている。ある実施態様において、1つの鏡像異性体は、30〜80%、30〜70%、30〜60%、30%、35%、40%、45%、50%、55%若しくは60%の、又はそれらの間に挟まれているいずれかの%の過剰量であることができる。]
[0036] 本明細書で使用されかつ別段の記載がなければ、用語「鏡像異性的に純粋な(R)-化合物」は、例えば、少なくとも約80重量%の(R)-化合物及び多くとも約20重量%の(S)-化合物、少なくとも約90重量%の(R)-ホスホインドール及び多くとも約10重量%の(S)-化合物、少なくとも約95重量%の(R)-化合物及び多くとも約5重量%の(S)-化合物、少なくとも約99重量%の(R)-化合物及び多くとも約1重量%の(S)-化合物、又は少なくとも約99.9重量%の(R)-化合物及び多くとも約0.1重量%の(S)-化合物を指す。ある実施態様において、該重量は、該化合物の、すなわち該化合物の両方の又はすべての鏡像異性体の総重量に基づいている。]
[0037] 本明細書に提供する組成物において、鏡像異性的に純粋な化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、エステル、又はプロドラッグは、他の活性のある又は不活性な成分とともに存在することができる。例えば、鏡像異性的に純粋な(R)-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤及び約10%の鏡像異性的に純粋な(R)-化合物を含むことができる。ある実施態様において、このような組成物における鏡像異性的に純粋な(R)-化合物は、例えば、少なくとも約99.9重量%の(R)-化合物及び多くとも約0.1重量%の(S)-化合物を含むことができる。ある実施態様において、活性成分は、担体、賦形剤、又は希釈剤をほとんど又はまったく含まないで製剤することができる。]
[0038] 本明細書で使用される用語「キラル」には、鏡像において重ねることのできない特性を有する化合物を含む。]
[0039] 用語「単離された」には、少なくとも85重量%、90重量%、95重量%、98重量%、99重量%、又は100重量%の所望の化合物を含む組成物を含む。]
[0040] 本明細書で使用されるように、「純粋な」、すなわち他の結晶形態又は非晶質形態を実質的に含まない結晶形態又は非晶質形態は、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、又は約1重量%未満の1つ以上の他の結晶形態又は非晶質形態を含む。]
[0041] 本明細書で使用されるようにかつ別段の記載がなければ、化合物を「実質的に含まない」組成物とは、該組成物が、約20重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、又は約1重量%未満の化合物を含むことを意味する。]
[0042] 本明細書で使用される用語「固体形態」及び関連用語は、別段の指定がない限り、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを含む結晶形態及び非晶質形態を指し、具体的には、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを含む。]
[0043] 物質、成分、又は製品を記載するために使用される場合、本明細書で使用される用語「結晶」及び関連用語は、該物質、成分、又は製品が、X線回折によって決定される結晶であることを意味する。例えば、Remingtonの文献「医薬の科学,第18版(Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed. 」(Mack Publishing, Easton PA, 173(1990));「米国薬局方,第23版(The United States Pharmacopeia, 23rd ed.)」(1843-1844 (1995))を参照されたい。]
[0044] 本明細書における用語「結晶形態」及び関連用語は、多形、溶媒和物、水和物、共結晶、及び他の分子複合体、並びに塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の他の分子複合体、及びこれらの多形を含むがそれらに限定されるわけではないある物質の種々の結晶変態を指す。物質の結晶形態は、当技術分野で公知のように、いくつかの方法によって得ることができる。このような方法には、例えば融解再結晶、融解冷却、溶媒再結晶、例えばナノポア又は毛細管などの制限された空間における再結晶、例えば重合体におけるなど、表面又はテンプレートにおける再結晶、例えば共結晶カウンター分子などの添加物の存在下での再結晶、脱溶媒和、脱水和、急速蒸発、急速冷却、緩慢な冷却、蒸気拡散、昇華、粉砕及び溶媒滴下粉砕を含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0045] 本明細書における用語「多形」、「多形形態」及び関連用語は、同一の分子(molecule)、分子(molecules)、又はイオンから構成される2つ以上の結晶形態を指す。異なる多形は、例えば融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度、及び/又は結晶格子における分子又はイオンの配置又は立体配座の結果としての振動スペクトルなどの異なる物理的特性を有してもよい(例えば、Byrn, Pfeiffer, 及びStowellの文献「薬物の固体状態の化学,第2版(Solid-State Chemistry of Drugs, 2nd ed.)」(1999,SSCI, Inc.:West Lafayette,IN)参照)。多形によって示される物理的特性における違いは、保存安定性、圧縮能、及び密度(製剤及び製品製造において重要)などの医薬的パラメータ;並びに溶解速度(生物学的利用率における重要な因子)に影響を及ぼす。安定性における違いは、化学的反応性における変化(例えば、ある多形から構成される場合において別の多形から構成される場合よりも剤形がより迅速に変色するような差次的酸化(differential oxidation))又は機械的変化(例えば、錠剤は、動力学的に好ましい多形が熱力学的により安定な多形に変換するにつれて保存上砕ける。)又はその両方(例えば、ある多形の錠剤は、高い湿度でより崩壊しやすい。)から結果として生じる可能性がある。溶解度/溶解の違いの結果として、特別な場合、いくつかの多形遷移が、結果として効力の欠如、又はその他の結果においては毒性の欠如を生じるかもしれない。加えて、結晶の物理的特性は、加工する上で重要であるかもしれず、例えば、ある多形は、より溶媒和物を形成しがちであり得、又は不純物を含まずに濾過し及び洗浄するのが困難であり得る(すなわち、粒子の形状及び大きさの分布は、多形間で異なり得る。)。]
[0046] 本明細書で使用される用語「溶媒和物」及び「溶媒和した」は、溶媒を含む物質の結晶形態を指す。用語「水和物」及び「水和した」は、溶媒が水である溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形」は、特定の溶媒和物の組成物のための2つ以上の結晶形態の存在を指す。同様に、「水和物の多形」は、特定の水和物の組成物のための2つ以上の結晶形態の存在を指す。]
[0047] 本明細書で使用される用語「非晶質」、「非晶質形態」、及び関連用語は、考慮下にある材料、物質、成分、又は製品がX線回折によって決定されるような結晶ではないことを意味する。非晶質形態の物質は、当技術分野で公知のように、いくつかの方法によって得ることができる。このような方法には、加熱、融解冷却、急速融解冷却、溶媒蒸発、急速溶媒蒸発、脱溶媒和、昇華、粉砕、凍結粉砕、及び凍結乾燥を含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0048] 結晶形態及び非晶質形態を特徴づける技術には、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折測定(XRPD)、単一結晶X線回折測定、振動分光法、例えば赤外(IR)分光法及びラマン分光法、固体NMR、光学顕微鏡、高温(hot stage)光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、電子結晶学及び定量分析、粒子サイズ分析(PSA)、表面積分析、溶解度研究、及び溶解研究を含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0049] 本明細書で使用される用語「宿主」は、ウイルスが複製できる単細胞生物又は多細胞生物を指し、細胞株及び動物、並びにある場合においてはヒトを含む。或いは、宿主は、HIVウイルスゲノムの一部を保有していることができ、その複製又は機能は、本明細書に提供される固体形態によって変化することができる。ある実施態様において、宿主という用語は具体的には、感染した細胞、HIVゲノムの全部又は一部を形質移入した細胞、並びに動物、特に霊長類(チンパンジーを含む。)及びヒトを指す。ある実施態様において、宿主はヒト患者である。しかしながら、ある徴候(indication)において、獣医学的応用は、本明細書に提供される実施態様によって明確に包含される(チンパンジーなど)。]
[0050] 用語「対象」は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、及びそれらの類似物を含むがこれらに限定されるわけではない哺乳類等の動物を含むよう本明細書に定義されている。ある実施態様において、対象はヒトである。]
[0051] 用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、障害、疾患、若しくは容態を、又は該障害、疾患、若しくは容態と関連した1つ以上の症状を緩和し又は排除し;或いは該障害、疾患、若しくは容態自体の原因を緩和し又は撲滅することを含むことを意味する。]
[0052] 用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、障害、疾患、若しくは容態、及び/又はその付随症状の発症を遅延させ及び/又は除外する方法;対象が疾患を獲得するのを防止する方法;又は対象が障害、疾患若しくは容態を獲得する危険性を減少させる方法を含むことを意味する。]
[0053] 用語「治療的有効量」は、投与する場合に、治療中の障害、疾患、又は容態の1つ以上の症状の発達を予防するのに、又はある程度緩和するのに十分な化合物の量を含むことを意味する。用語「治療的有効量」はまた、研究者、獣医、医師、又は臨床医によって選択されている細胞、組織、系統、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するのに十分な化合物の量を指す。]
[0054] 用語「IC50」は、最大応答を測定するアッセイにおける該応答の50%阻害に必要とされる化合物の量、濃度、又は薬用量を指す。]
[0055] 用語「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理学的に許容し得る担体」、又は「生理学的に許容し得る賦形剤」は、液体又は固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料など、医薬として許容し得る材料、組成物、又は媒体を指す。一実施態様において、各成分は、医薬製剤の他の成分と互換性のある点で「医薬として許容し得」、妥当な利益/危険比に比例して、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題若しくは合併症を有さないヒト及び動物の組織又は器官と接触して使用するのに適している。Remingtonの文献「医薬の科学及び実施,第21版(The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition)」(Lippincott Williams&Wilkins:Philadelphia, PA, 2005);Roweらの文献「Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition(医薬賦形剤のハンドブック第5版)」(The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005);並びにAsh及びAshの文献「医薬添加物のハンドブック第3版(Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition)」(Gower Publishing Company:2007);Gibsonの文献「医薬の前製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)」(CRCPressLLC:Boca Raton,FL,2004)を参照されたい。]
[0056] 用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値についての許容し得る誤差を意味し、値がどのように測定され又は決定されるかに一部依存する。ある実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。ある実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、与えられた値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%内を意味する。]
[0057] 本明細書で使用されるように、別段の指定がなければ、用語「約」及び「およそ」は、特定の固体形態を記述するために提供される数値又は値の範囲、例えば、具体的な温度又は温度範囲、例えば、融解、脱水和、脱溶媒和、又はガラス遷移を記述しているものなど;質量変化、例えば温度又は湿度の関数としての質量変化など;例えば質量又は%の点に関する溶媒又は水の含有量;又はピーク位置、例えば、IR分光法若しくはラマン分光法又はXRPDによる分析におけるものなど;と関連して使用される場合、特定の固体形態をなおも記述しながら、該値又は値の範囲が当業者に対して妥当と思われる程度まで離れてもよいことを示している。具体的には、用語「約」及び「およそ」は、この脈絡で使用される場合、数値又は値の範囲が、特定の固体形態をなおも記述しながら、列挙される値又は値の範囲の20%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%だけ変動してもよいことを示している。]
[0058] 6.2 実施態様
ある実施態様において、その溶媒和した及び水和した形態を含むステレオマー的に純粋な(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩を含む固体形態、並びに非晶質形態;固体形態単独を又は他の活性成分との組み合わせで含む医薬組成物;ペスチウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘパシウイルス感染、及びヒト免疫不全ウイルス感染を含むがこれらに限定されるわけではない容態及び障害の治療、予防、及び/又は管理における該医薬組成物の使用方法を本明細書に提供する。いずれの特定の理論によっても結び付けられるようには企図されないが、固体形態の保存安定性、圧縮能、密度、又は溶解特性は、その溶媒和した及び水和した形態を含む(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩の製造、製剤、及び薬物動態特性(例えば、生物学的利用率)にとって有益であり得る。]
[0059] ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態は、物理的特性、例えば、安定性、溶解度、及び溶解速度によって特徴づけられる固体形態であり、臨床的及び治療的剤形に適している。本明細書に提供されるある固体形態は、固体剤形の製造に適した物理的特性、例えば結晶形態、圧縮能、及び硬度によって特徴づけられている。このような特性は、本明細書に記載され又は当技術分野で公知のように、X線回折、顕微鏡、IR分光法、及び熱分析などの技術を使用して決定することができる。]
[0060] また、ある実施態様において、ステレオマー的に又は鏡像異性的に純粋な(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩を含む結晶形態も本明細書に提供する。ある実施態様において、該結晶形態は、ペスチウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘパシウイルス感染、及びヒト免疫不全ウイルス感染を含むがこれらに限定されるわけではない容態及び障害の治療、予防、又は管理のための有用性を有する。ある実施態様において、本明細書に提供される固体形態は、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを含む結晶形態である。]
[0061] ある実施態様において、本明細書に提供される結晶形態は、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶化によって製造することができる。ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルは、溶媒又は溶媒の混合物に溶解されて溶液を形成した後、該溶液から結晶して、本明細書に提供される結晶形態を生じる。本明細書に提供される結晶形態を製造する典型的な方法を以下に記載する。]
[0062] 一実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの無水結晶形態である形態Iを本明細書に提供する。ある実施態様において、形態Iは、図1Bに提供されるものと実質的に同様の熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討する場合、形態Iは、約25℃から約219℃へと加熱したときに、総質量の約1.0%以下に相当する重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討する場合、形態Iは、約25℃から約219℃へと加熱したときに、総質量の約0.5%〜約1.0%に相当する重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討する場合、形態Iは、約25℃から約219℃へと加熱したときに、総質量の0.7%に相当する重量損失を有する。ある実施態様において、形態Iは、図1Bに提供されるのと実質的に同様の示差走査熱量測定サーモグラムを有する。ある実施態様において、示差走査熱量測定によって検討する場合、形態Iは、下記の熱事象の1つ以上を有する:開始温度が116℃である吸熱反応、開始温度が213℃である吸熱反応、開始温度が約153℃である発熱反応。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、図1A又は図5に提供されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有する(例えば、1.5406Å、40kV、40mA)。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、約21.8°2θでX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、本明細書に提供される図1A、図5、及び/又は表2に提供されるX線粉末回折パターンピーク位置の1、2、3、4、5、6、7、又はそれより多くにおいて、X線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、約9.3、約21.3、約21.8、約23.8、及び約26.1°2θにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、約9.3、約19.2、約20.0、約21.8、約23.8、及び約26.1°2θにX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、CuKα放射を使用して、約9.3、約12.1、約14.4、約19.2、約20.0、約21.8、約23.8、及び約26.1°2θにX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、図7又は図8に図示したものと同様のIRスペクトルを有する。ある実施態様において、形態Iは、本明細書に提供される図7、図8、及び/又は表13に示した1、2、3、4、5、6、7、又はそれより多くの位置にIRピークを有する。ある実施態様において、形態Iは、下記のおよその位置:約3284、約3063、約1619、及び約1010cm-1において1、2、3、又は4のIRピークを有する。] 図5 図7 図8
[0063] ある実施態様において、形態Iは有利な安定性を有する。ある実施態様において、形態Iは有利な再現性を有する。]
[0064] (2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの形態Iは、本明細書に記載されている方法又は当業者に明らかないずれかの方法によって製造することができる。ある実施態様において、形態Iは、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、2-ブタノール、1-ブタノール、ニトロメタン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、イソプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、メチルtertブチルエーテル(MTBE)、水、及びこれらの混合物を含むがそれらに限定されるわけではない1つ以上の溶媒を含む溶媒系からの(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶化によって製造される。ある実施態様において、溶媒は、アルコール溶媒、例えばエタノール又はメタノールである。ある実施態様において、形態Iは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの別の結晶又は非晶質形態から、例えば溶媒仲介性及び/又は水仲介性形態の変換方法を介した結晶形態変換によって得られる。ある実施態様において、形態Iは、メタノールに(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを溶解して溶液を形成し、抗溶媒(antisolvent)として水を該溶液に添加して化合物を溶液から結晶させることによって結晶する。ある実施態様において、メタノールは、過剰量の水にあり、一実施態様において、メタノール対水の比は3〜2である。次に、同一のメタノール水溶液を使用して結晶を洗浄する。メタノールを上回る過剰量の水を使用する場合、形態VIIIを形成するかもしれない。]
[0065] 別の実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの一水和物結晶形態である形態VIIIを本明細書に提供する。ある実施態様において、水は、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル1モルあたり1モル当量の水のおよその割合で存在する。質量の点について、これは、形態VIIIの試料の総質量のおよそ4%の水含有量に等しい。ある実施態様において、形態VIIIの水含有量は、形態VIIIの総質量の約3%〜約5%の範囲である。ある実施態様において、形態VIIIは、図3Bに提供されるのと実質的に同様の熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態VIIIは、約25℃から約120℃に加熱したときに総質量の約3%〜約5%の重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態VIIIは、約25℃から約120℃に加熱したときに、総質量の約4%の重量損失を有する。ある実施態様において、形態VIIIは、図3Bに提供されるのと実質的に同様の示差走査熱量測定サーモグラムを有する。ある実施態様において、示差走査熱量測定によって検討した場合、形態VIIIは、開始温度が約105及び213℃である吸熱反応、並びに開始温度が約169℃である発熱反応を有する。ある実施態様において、形態VIIIは、CuKα放射を使用して、図3A又は図6のものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有する(例えば、1.5406Å、40kV、40mA)。ある実施態様において、形態VIIIは、CuKα放射を使用して、約20.2°2θにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態VIIIは、CuKα放射を使用して、本明細書に提供される図3A、図6、及び/又は表3に提供されるX線粉末回折パターン位置の1、2、3、4、5、6、7、又はそれより多くにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態VIIIは、CuKα放射を使用して、約6.7、約9.4、約13.4、約20.2、及び約21.8°2θにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態VIIIは、図9、図10、又は図11に図示されるものと実質的に同様のIRスペクトルを有する。ある実施態様において、形態VIIIは、本明細書に提供される図9、図10、図11、及び/又は表13に示される位置の1、2、3、4、5、6、7、又はそれより多くにおいてIRピークを有する。ある実施態様において、形態VIIIは、下記のおよその位置:約3301、約3147、約1623、及び約1019cm-1の1、2、3、又は4においてIRピークを有する。] 図10 図11 図3A 図6 図9
[0066] (2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの形態VIIIは、本明細書に記載されている方法又は当業者に明らかないずれかの方法によって製造することができる。ある実施態様において、形態VIIIは、1-ブタノール、ピリジン、アセトン、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、イソプロピルエーテル、ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、及びこれらの混合物を含むがそれらに限定されるわけではない1つ以上の溶媒を含む溶媒系からの(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶化によって製造される。ある実施態様において、形態VIIIは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの別の結晶又は非晶質形態から、例えば溶媒仲介性及び/又は水仲介性形態変換方法を介した結晶形態変換によって得られる。]
[0067] さらに別の実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体との混合物の無水結晶形態である形態IXを本明細書に提供する。ある実施態様において、形態IXは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルのラセミ混合物である。ある実施態様において、形態IXは、図2Bに提供されるものと実質的に同様の熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IXは、約25℃から約200℃へと加熱したときに総質量の1%以下の重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IXは、約25℃から約200℃へと加熱したときに総質量の約0.3%〜約0.5%の重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IXは、約25℃から約200℃へと加熱したときに総質量の約0.4%の重量損失を有する。ある実施態様において、形態IXは、図2Bに提供されるものと実質的に同様の示差走査熱量測定サーモグラムを有する。ある実施態様において、示差走査熱量測定によって検討した場合、形態IXは、約25〜247℃で熱事象を有さない。ある実施態様において、示差走査熱量測定によって検討した場合、形態IXは、開始温度が約247℃である発熱反応を有する。ある実施態様において、形態IXは、CuKα放射を使用して、図2Aに提供されるものと実質的に同様のX線粉末回折パターンを有する(例えば、1.5406Å、40kV、40mA)。ある実施態様において、形態IXは、CuKα放射を使用して、約22.7°2θにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態IXは、CuKα放射を使用して、図2Aに提供されるX線粉末回折パターン位置の1、2、3、4、5、6、7、又はそれより多くにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態IXは、CuKα放射を使用して、下記のおよその位置の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10においてX線粉末回折パターンピークを有する:約6.9、約9.7、約11.8、約18.0、約19.4、約22.3、約22.7、約23.5、約26.0、及び約29.3°2θ。] 図2A 図2B
[0068] 形態IXは、本明細書に記載されている方法又は当業者に明らかないずれかの方法によって製造することができる。ある実施態様において、形態IXは、有機溶媒において形態I及び形態VIIIの(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを撹拌し、かつ残存する溶解していない残渣を回収することによって製造される。一実施態様において、有機溶媒はメタノールである。]
[0069] なおも別の実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの無水固体形態である形態IIIを本明細書に提供する。ある実施態様において、形態IIIは、図4Bに提供されるものと同様の熱重量分析サーモグラムを有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IIIは、約25℃から約240℃に加熱したときに総質量の1%以下の重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IIIは、約25℃から約240℃に加熱したときに総質量の約0.5%〜約0.9%の重量損失を有する。ある実施態様において、熱重量分析によって検討した場合、形態IIIは、約25℃から約240℃に加熱したときに総質量の約0.7間の重量損失を有する。ある実施態様において、形態IIIは、図4Bに提供されるものと同様の示差走査熱量測定サーモグラムを有する。ある実施態様において、示差走査熱量測定によって検討したとき、形態IIIは、下記の温熱事象の1つ以上を有する:開始温度が約116℃である吸熱反応、開始温度が約212℃である吸熱反応、及び開始温度が約165℃である発熱反応。ある実施態様において、形態IIIは、CuKα放射を使用して、図4Aのものと同様のX線粉末回折パターンを有する(例えば、1.5406Å、40kV、40mA)。ある実施態様において、形態IIIは、CuKα放射を使用して、約20.7°2θにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態IIIは、CuKα放射を使用して、図4Aに提供されるX線粉末回折パターン位置の1、2、3、4、又はそれより多くにおいてX線粉末回折パターンピークを有する。ある実施態様において、形態IIIは、CuKα放射を使用して、下記の位置:約6.9、約9.5、約13.5、及び約20.7°2θの1、2、3、又は4においてX線粉末回折パターンピークを有する。]
[0070] (2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの形態IIIは、本明細書に記載されている方法又は当業者に明らかないずれかの方法によって製造することができる。]
[0071] ある実施態様において、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの非晶質形態、又はその塩を本明細書に提供する。(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの非晶質形態は、本明細書に記載されている方法又は当業者に明らかないずれかの方法によって製造することができる。]
[0072] 本明細書に提供されるある実施態様は、物理的混合物及び/又は固体の溶液を含む、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル又はその塩を含む固体形態の混合物を提供する。]
[0073] ある実施態様において、固体形態は、形態III及び非晶質形態を含む。]
[0074] 6.3医薬組成物
活性成分として本明細書に提供される固体形態を含む医薬組成物を本明細書に提供する。ある実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つの放出制御性の賦形剤又は担体を含む。ある実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤又は担体を含む。ある実施態様において、医薬組成物は、少なくとも1つの放出制御性の及び少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤又は担体を含む。]
[0075] 本明細書に提供される活性成分は、単独で、又は本明細書に提供される1つ以上の他の化合物、1つ以上の他の活性成分との併用で投与されてもよい。本明細書に提供される活性成分を含む医薬組成物は、経口投与、非経口投与、及び局所投与のための種々の剤形で製剤されてもよい。また、医薬組成物は、遅延され、延長され、長期化され、持続され、パルス化され、制御され、加速されかつ迅速な、標的化した、プログラムされた放出の、及び胃貯留の剤形を含む改変された放出剤形として製剤されてもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法及び技術に従って製造することができる(Remingtonの文献「医薬の科学及び実施(The Science and Practice of Pharmacy)」(上述);Rathboneらの文献「改変された放出の薬物送達技術(Modified-Release Drug Deliver Technology)」(薬物及び医薬科学(Drugs and the Pharmaceutical Science),Marcel Dekker, Inc.:New York, NY, 2003;Vol.126)参照)。]
[0076] 一実施態様において、医薬組成物は、本明細書に提供される活性成分と1つ以上の医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤又は担体とを含む経口投与のための剤形で提供される。]
[0077] 別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書に提供される活性成分と1つ以上の医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤又は担体とを含む非経口投与のための剤形で提供される。]
[0078] さらに別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書に提供される活性成分と1つ以上の医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤又は担体とを含む局所投与のための剤形で提供される。]
[0079] 本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形又は多重剤形で提供されてもよい。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物の対象への投与に適しておりかつ当技術分野で公知のように個々に包装された物理的に離散した単位を指す。各単位用量は、必要とされる医薬担体又は賦形剤と関連して望ましい治療効果を生じるのに十分なあらかじめ決められた量の活性成分を含んでいる。単位剤形の例には、アンプル、シリンジ、並びに個々に包装された錠剤及びカプセル剤を含む。単位剤形は、その分数又は倍数で投与されてもよい。多重剤形は、分離した単位剤形で投与されるよう単一容器に包装された複数の同一の単位剤形である。多重剤形の例には、バイアル、錠剤若しくはカプセル剤の瓶、又はパイント瓶若しくはガロン瓶を含む。]
[0080] 本明細書に提供される医薬組成物は、1回で、又は時間間隔を空けて複数回で投与されてもよい。治療に関する精確な薬用量及び期間は、治療中の患者の齢、体重、及び容態に伴って変動してもよく、公知の検査プロトコールを使用して又はインビボ若しくはインビトロでの検査データ若しくは診断データからの推定によって、経験的に決定されてもよいことは理解される。いずれかの特定の個体のために、具体的な薬用量療法が、個体の需要及び製剤の投与を管理し又は監督している人の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであることはさらに理解される。]
[0081] 本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、又は液体の剤形で提供されてもよい。本明細書で使用されるように、経口投与にはまた、頬側投与、舌側投与、舌下投与を含む。適切な経口剤形には、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、オブラート剤(cachet)、ペレット剤、薬用チューインガム、顆粒、混合散剤、沸騰散若しくは非沸騰散又は沸騰顆粒若しくは非沸騰顆粒、溶液、エマルション、懸濁液、溶液、ウエハ剤(wafer)、粒剤(sprinkle)、エリキシル剤、及びシロップ剤を含むが、これらに限定されるわけではない。活性成分に加えて、医薬組成物は、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤、着色料、色素遊走阻害剤、甘味料、及び調味料を含むがこれらに限定されるわけではない1つ以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含んでもよい。]
[0082] 結合剤又は造粒剤は、錠剤に粘着性を与えて、錠剤が圧縮後に未変化のままであることを確実にする。適切な結合剤又は造粒剤には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びあらかじめゼラチン化したデンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜、及び乳糖などの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、トチャカ抽出物、パンワーゴム(panwar gum)、ガティゴム(ghatti gum)、イサブゴールハスク(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヴィーゴム(Veegum)、カラマツアラボガラクタン、粉末状トラガカント、及びグア—ゴムなどの天然ゴム及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC社,Marcus Hook,PA)などの微結晶性セルロース;及びこれらの混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。適切な充填剤には、滑石、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、あらかじめゼラチン化したデンプン、及びこれらの混合物を含むがそれらに限定されるわけではない。結合剤又は充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物において約50〜約99重量%で存在してもよい。]
[0083] 適切な希釈剤には、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉糖を含むが、これらに限定されるわけではない。マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、及びイノシトールなどのある希釈剤は、十分な量で存在する場合、咀嚼によって口中で崩壊できるいくつかの圧縮された錠剤に特性を与えることができる。このような圧縮された錠剤は、咀嚼可能な錠剤として使用することができる。]
[0084] 適切な崩壊剤には、アガー;ベントナイト;メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;グアーゴム及びヴィーゴムHVなどのゴム;カンキツ属の木のパルプ;クロスカルメロースなどの架橋したセルロース;クロスポビドンなどの架橋した重合体;架橋したデンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、あらかじめゼラチン化したデンプンなどのデンプン;粘土;アライン(align);及びこれらの混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書に提供される医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、当業者に容易に認識できる。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含んでもよい。]
[0085] 適切な潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;滑石;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む水素化した植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリル酸エチル;アガー;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace社, Baltimore, MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(ボストン,MAのCabot社)などのシリカ又はシリカゲル;及びこれらの混合物を含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の潤滑剤を含んでもよい。]
[0086] 適切な流動促進剤には、コロイド状二酸化シリコン、CAB-O-SIL(登録商標)(Boston,MAのCabot社)及びアスベスト非含有滑石を含む。着色料には、認可され、認証された水溶性FD&C色素のいずれか、及びアルミナ水和物において懸濁した水不溶性FD&C色素、及び色レーキ並びにこれらの混合物を含む。色レーキは、水溶性色素の重金属含水酸化物への吸着による組み合わせであり、結果として不溶性形態の色素を生じる。調味料には、果実などの植物から抽出された天然調味料、並びにペパーミント及びサリチル酸メチルなどの喜ばしい味覚を生じる化合物の合成配合物を含む。甘味料には、ショ糖、乳糖、マンニトール、蜜、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味料を含む。適切な乳化剤には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性剤を含む。懸濁剤及び崩壊剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ヴィーゴム、アカシア、カルボメチルセルロース(carbomethylcellulose)ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。保存料には、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、並びにアルコールを含む。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及び蜜を含む。エマルションにおいて利用される非水性液体の例には、鉱油及び綿実油を含む。有機酸には、クエン酸及び酒石酸を含む。二酸化炭素の源には、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む。]
[0087] 多くの担体及び賦形剤が、同一の製剤内でさえ、いくつかの機能を供するかもしれないことは理解されるべきである。]
[0088] 本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮した錠剤、錠剤倍散剤、咀嚼可能なロゼンジ剤、迅速に溶解する錠剤、多重圧縮した錠剤、又は腸溶錠、糖衣錠又はフィルムコート錠として提供されてもよい。腸溶錠は、胃酸の作用に耐えるが腸において溶解し又は崩壊し、このように活性成分を胃の酸性環境から保護する物質でコーティングされた圧縮した錠剤である。腸溶コーティングには、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、蝋、セラック、アンモニア処理したセラック、及びセルロースアセタートフタラートを含むが、これらに限定されるわけではない。糖衣錠は、不快な味覚又は臭気を覆いかつ錠剤を酸化から保護するうえで有益であるかもしれない糖衣によって取り囲まれた圧縮した錠剤である。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄い層又はフィルムで覆われた圧縮した錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及びセルロースアセタートフタラートを含むが、これらに限定されるわけではない。フィルムコーティングは、糖衣と同一の一般的な特徴を与える。多重圧縮した錠剤は、2回以上の圧縮周期によって製造された圧縮した錠剤であり、層状錠剤及び圧縮コーティングした又は乾燥コーティングした錠剤を含む。]
[0089] 錠剤剤形は、粉末状の、結晶状の、又は顆粒状の形態の活性成分から、単独で或いは結合剤、崩壊剤、徐放性重合体、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色料を含む本明細書に記載された1つ以上の担体又は賦形剤との組み合わせで製造されてもよい。調味料及び甘味料は特に、咀嚼可能な錠剤及びロゼンジ剤の形成において特に有用である。]
[0090] 本明細書に提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから製造することのできる軟質又は硬質のカプセルとして提供されてもよい。乾燥充填したカプセル(DFC)としても公知の硬質ゼラチンカプセルは、2つのセクションからなり、1つはもう1つの上で滑り込ませており、従って、活性成分を完全に閉じ込めている。軟質弾性カプセル(SEC)は、ゼラチンシェルなど、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化した軟質で球状のシェルである。軟質ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存料を含んでもよい。適切な保存料は本明細書に記載されているものであり、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書に提供される液体、半固体、及び固体の剤形が、カプセル剤に封入されてもよい。適切な液体及び半固体の剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリドにおける溶液及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載されるとおり製造することができる。また、カプセル剤は、活性成分の溶解を改変し又は持続させるために、当業者によって公知の通りコーティングされてもよい。]
[0091] 本明細書に提供される医薬組成物は、エマルション、溶液、懸濁液、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む溶液及び半固体の剤形で提供されてもよい。エマルションは2相の系であり、そのうち1つの液体は別の液体を通じて小球の形態で分散しており、水中油又は油中水であることができる。エマルションには、医薬として許容し得る非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び保存料を含んでもよい。懸濁液には、医薬として許容し得る懸濁剤及び保存料を含んでもよい。水性アルコール溶液には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどの医薬として許容し得るアセタール;並びにプロピレングリコール及びエタノールなど、1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシル剤は、透明で、甘味のあるヒドロアルコール性(hydroalcoholic)溶液である。シロップ剤は、糖、例えばショ糖の濃縮した水溶液であり、また、保存料を含んでもよい。液体剤形のために、例えばポリエチレングリコールにおける溶液は、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば水で希釈して、投与のために簡便に量られてもよい。]
[0092] 他の有用な液体及び半固体の剤形には、本明細書に提供される活性成分を含むものと、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化したモノ-又はポリ-アルキレングリコールとを含むが、これらに限定されるわけではなく、ここで、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤はさらに、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバマートなどの1つ以上の抗酸化剤を含んでもよい。]
[0093] 経口投与のための本明細書に提供される医薬組成物はまた、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、又はナノシステムの形態で提供してもよい。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されるとおり製造することができる。]
[0094] 本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成するために、非沸騰性又は沸騰性の顆粒及び散剤として提供してもよい。非沸騰性の顆粒又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでもよい。沸騰性の顆粒又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、有機酸及び二酸化炭素源を含んでもよい。]
[0095] 着色料及び調味料は、先の剤形すべてにおいて使用することができる。]
[0096] 本明細書に提供される医薬組成物は、遅延し、持続し、パルス化し、制御し、標的化し、及びプログラムされた放出の形態を含む即時的な又は改変された放出の剤形として製剤されてもよい。]
[0097] 本明細書に提供される医薬組成物は、望ましい治療作用を損なわない他の活性成分とともに、又はドロトレコギン-α、及びヒドロコルチゾンなど、望ましい作用を補強する物質とともに同時製剤されてもよい。]
[0098] 本明細書に提供される医薬組成物は、局所投与又は全身投与のために、注射、注入、又は移入によって非経口的に投与されてもよい。本明細書で使用される非経口投与には、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿管内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑膜内投与、及び皮下投与を含む。]
[0099] 本明細書に提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステムを含む非経口投与に適したいずれかの剤形で、及び注入前の液体における溶液又は懸濁液に適した固体形態で製剤されてもよい。このような剤形は、医薬科学の当業者に公知の従来の方法に従って製造することができる(Remingtonの文献「医薬の科学及び実施(The Science and Practice of Pharmacy)」(上述)参照)。]
[0100] 非経口投与のために企図された医薬組成物には、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌薬又は微生物の増殖に対する保存料、安定剤、溶解度増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、凍結保護剤(cryoprotectant)、凍結保護剤(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むがこれらに限定されるわけではない1つ以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含んでもよい。]
[0101] 適切な水性媒体には、水、塩類溶液、生理塩類溶液又はリン酸緩衝塩類溶液(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース及び乳酸リンゲル注射液を含むが、これらに限定されるわけではない。非水性媒体には、植物起源の固定油、キャスター油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、水素化した植物油、水素化したダイズ油、及びココナツ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシ種子油を含むが、これらに限定されるわけではない。水混和性媒体には、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0102] 適切な抗菌薬又は保存料には、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピル、チメロサル、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-及びプロピル-パラベン、並びにソルビン酸を含むが、これらに限定されるわけではない。適切な等張剤には、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、これらに限定されるわけではない。適切な緩衝剤には、リン酸塩及びクエン酸塩を含むが、これらに限定されるわけではない。適切な抗酸化剤は、重亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されたものである。適切な局所麻酔薬には塩酸プロカインを含むが、これに限定されるわけではない。適切な懸濁剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されたものである。適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されたものを含む。適切な金属イオン封鎖剤又はキレート剤にはEDTAを含むが、これに限定されるわけではない。適切なpH調整剤には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、これらに限定されるわけではない。適切な錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex,Lenexa,KS)を含むシクロデキストリンを含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0103] 本明細書に提供される医薬組成物は、単回又は複数回の薬用量投与のために製剤されてもよい。単回薬用量製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジに包装される。複数回薬用量非経口製剤は、静菌濃度又は静真菌濃度で抗菌薬を含まなければならない。すべての非経口製剤は、当技術分野で公知でありかつ実施されるように、滅菌済みでなければならない。]
[0104] 一実施態様において、医薬組成物は、使用する準備のできている滅菌溶液として提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体を使用して再構成されるべき凍結乾燥した散剤及び皮下錠剤を含む滅菌済み乾燥可溶性製剤として提供される。さらに別の実施態様において、医薬組成物は、使用する準備のできている滅菌済み懸濁液として提供される。さらに別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体を使用して再構成されるべき滅菌済み乾燥不溶性製剤として提供される。なおも別の実施態様において、医薬組成物は、使用する準備のできている滅菌済みエマルションとして提供される。]
[0105] 本明細書に提供される医薬組成物は、遅延し、持続し、パルス化し、制御され、標的化し、及びプログラムされた放出の形態を含む即時的な又は改変された放出の剤形として製剤されてもよい。]
[0106] 医薬組成物は、移入されたデポーとしての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又は揺変性液体として製剤されてもよい。一実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、体液において不溶性だが医薬組成物において活性成分を拡散することのできる外側重合体メンブレンによって取り囲まれている固体内側マトリックスに分散している。]
[0107] 適切な内側マトリックスには、ポリメチルメタクリラート、ポリブチル-メタクリラート、可塑化した又は非可塑化のポリビニルクロリド、可塑化したナイロン、可塑化したポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性重合体、コラーゲン、架橋したポリビニルアルコール、並びに架橋し部分的に加水分解した酢酸ポリビニルを含む。]
[0108] 適切な外側重合体メンブレンには、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化したポリエチレン、ポリビニルクロリド、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元重合体、並びにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体を含む。]
[0109] 局所投与のための本明細書に提供される医薬組成物は、遅延し、持続し、パルス化し、制御され、標的化し、及びプログラムされた放出を含む即時的な放出又は改変した放出であるよう製剤されてもよい。]
[0110] ある実施態様において、当業者に公知のポリグリコール化した(polyglycolyzed)グリセリドとの組み合わせで活性化合物を含む組成物を提供する。該化合物は、GELUCIREなどのポリグリコール化したグリセリドを含む半固体のマトリックスに組み込まれてもよい。ポリグリコール化したグリセリドは、例えば、グリセロールの脂肪酸(C8-C18)エステル及びポリエチレングリコール(PEG)エステルから構成された半固体賦形剤である。別の実施態様において、ポリグリコール化したグリセリドGELUCIREは、例えば、グリセロールの脂肪酸(C12-C18)エステル及びポリエチレングリコール(PEG)エステルから構成された半固体賦形剤である。ポリグリコール化したグリセリドは、任意で半固体界面活性剤である。]
[0111] ポリグリコール化したグリセリドには、例えば、親水性‐親油性平衡(HLB)の値をPEG鎖の長さによって調整することができ、かつPEGの脂肪酸の鎖の長さによって、及び脂肪酸のすなわち出発油の飽和の程度によって融点を調整することができる遊離グリセロール及び遊離PEGが適宜200〜600の分子量であってもよいモノ-、ジ-、及びトリグリセリド並びにポリエチレングリコール(PEG)モノ-及びジエステルの混合物を含む。このような混合物の例には、GELUCIREが含まれる。例えば、それらのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれているPCT公報第WO2007/038796号並びに米国特許第4,797,286号、第5433,951号、及び第6,171,615号を参照されたい。]
[0112] 6.4活性化合物を製造する方法
本明細書に提供される化合物は、当業者に明らかないずれかの方法に従って製造することができる。その異性体及び塩を含む(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを製造する典型的な方法は、2005年9月16日に出願された米国特許出願第11/229,150号;2006年5月26日に刊行されたPCT US2006/054182;2007年9月28日に出願された米国特許出願第11/906,095号;2007年9月28日に出願されたPCT US2007/020900;及び2007年5月31日に出願された米国仮出願第60/932,713号に記載されている;これらの各々の開示は、それらのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれている。]
[0113] ある実施態様において、鏡像異性的に純粋な化合物は、少なくとも約80重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約20重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、少なくとも約90重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約10重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、少なくとも約95重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約5重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、少なくとも約96.6重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約3.4重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、少なくとも約97重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約3重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、少なくとも約99重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約1重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを、又は少なくとも約99.9重量%の指定された鏡像異性体と多くとも約0.1重量%の他の鏡像異性体若しくは他の立体異性体とを含む。ある実施態様において、重量は、化合物の総重量にも基づいている。]
[0114] 6.5治療方法
一実施態様において、本明細書に記載された抗ウイルス的に有効量の固体形態又は医薬組成物を投与することを含む、宿主におけるHIV感染の治療又は予防のための方法を本明細書に提供する。活性成分は、医薬として許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤と併用されてもよく、本明細書に記載された又は当技術分野で公知の1つ以上のさらなる治療薬との併用で又は交代で投与することができる。]
[0115] また、任意で医薬として許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤との併用で、宿主におけるHIV感染の治療又は予防のための薬物の製造における本明細書に記載された活性成分の使用も提供する。]
[0116] 他の実施態様において、宿主は、血液における抗HIV抗体力価の測定によって診断することがすでにできている。別の実施態様において、活性成分は、宿主におけるエイズ(後天性免疫不全症候群)の症状を減少させ又は予防するために投与される。さらに別の実施態様において、本明細書に開示された活性成分は、HIV感染の危険にある宿主に投与される。]
[0117] 別の実施態様において、活性成分は、HIVの薬物抵抗性形態に対する活性を呈し、従って、現に認可されている抗ウイルス治療法に対する低い交差抵抗性を呈する。句「HIVの薬物抵抗性形態に対する活性」は、化合物(又はそのプロドラッグ若しくは医薬として許容し得る塩)が、例えばおよそ50、25、10、又は1μM未満のEC50を有する変異体の系に対して活性があることを意味する。一実施態様において、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)は、およそ5、2.5、1又は0.1μM未満の変異体HIV系に対するEC50を示す。制限のない一実施態様において、HIV変異体株は、リジン103→アスパラギン及び/又はチロシン181→システインにおいて逆転写酵素変異を有する。]
[0118] 標準的なスクリーニング方法に従ってインビトロで逆転写酵素活性を阻害する能力について、本明細書に提供される活性成分を評価することができる。いずれかの特定の化合物によって呈される活性のスペクトルは、本明細書において記載されたアッセイにおいて活性成分を評価することによって、又は抗HIV化合物に関する当業者に公知の他の確認アッセイを使用して決定される。化合物は、10〜15μM未満のEC50を呈することができる。]
[0119] 一実施態様において、活性成分の有効性は、HIV特異的酵素結合免疫吸着検定法、p24ELISAによって測定される。薬物の有効性は、この迅速かつ感度のあるアッセイにおけるHIV p24抗原の%阻害として表される。具体的な実験に有用な関連する実施態様において、活性成分の有効性は、より特別には本明細書で述べられた方法に従って、インビトロでウイルスのプラーク数を50%減少させるのに必要な化合物の濃度(すなわち該化合物のEC50)を測定する「プラーク減少アッセイ」によって決定される。いくつかの実施態様において、活性成分は、インビトロで15未満又は10未満のμMからnMのEC50を呈する。]
[0120] 6.6併用療法又は交代療法
ある実施態様において、活性成分は1つ以上の他の抗HIV薬との併用で及び/又は交代で投与される。別の実施態様において、2つ以上の抗HIV薬の投与は、HIVの阻害における相乗効果を結果として生じる。別の実施態様において、併用及び/又は交代における2つ以上の該薬剤を投与する効果は、HIV複製を阻害する上で相加効果を生じる。]
[0121] ある実施態様において、活性成分は、1つ以上の抗HBV薬又は1つ以上の抗HCV薬との併用で及び/又は交代で投与される。例えば、ある実施態様において、活性成分は、HBVの治療に有効な薬剤との併用でHIVとHBVとに同時感染した宿主に投与することができる。HBVの治療に有効な薬剤は、当業者に公知のいずれかの該薬剤であり得る。典型的な薬剤が本明細書に記載されている。ある実施態様において、活性成分は、HCVの治療に有効な薬剤との併用で、HIVとHCVとに同時感染した宿主に投与することができる。HCVの治療に有効な薬剤は、当業者に公知のいずれかの該薬剤であり得る。]
[0122] 併用療法において、2つ以上の薬剤の有効な薬用量が共に投与されるのに対し、交代療法の間、各薬剤の有効な薬用量が連続して投与される。薬用量は、薬物の吸収、不活性化及び排出速度、並びに当業者に公知の他の因子に依存するであろう。また、薬用量の値は、緩和されるべき容態の重度と共に変動するであろう。いずれかの特定の個体について、具体的な薬用量療法及びスケジュールは、個体の需要と組成物の投与を管理し又は監督する人の専門的判断とに合致するよう、経時的に調整されるべきである。]
[0123] 薬物の抵抗性は最も典型的には、ウイルス複製周期に使用される酵素をコードする遺伝子の変異によって生じる。抗HIV薬の有効性は、主要薬物によって選択されたものとは異なる変異を誘導する第二の、及びおそらくは第三の抗ウイルス化合物との併用で又は交代で化合物を投与することによって、長期化し、増大し、回復することができることがすでに示されている。このような薬物の併用は、いずれかの単独の薬物及びいずれかの関連する毒性効果に対する抵抗の可能性を同時に減少させる。或いは、該薬物の薬物動態、生体分布、又は他のパラメータは、このような併用療法又は交代療法によって変えることができる。例えば、薬物の併用によって、該併用内の個々の薬物は、薬物が単独治療として投与される場合に必要であろう薬用量よりも低い薬用量で与えることができるかもしれない。同様に、ウイルス生命周期の異なる段階を標的とする薬物を併用する場合、該薬物の効果を強化する可能性がある。その上、薬物の併用は、単一の薬物に由来する望ましくない副作用を低下させ又は排除しながら、なおも抗ウイルス活性を生じ得る。一般的に、併用療法は、典型的には交代療法よりも好ましく、その理由は、多重の同時の圧力をウイルスにかけるからである。]
[0124] 6.6.1.HCV薬
慢性肝炎の治療のためのインターフェロン(IFN)は、ほぼ10年間市販されており、HCVに対する現に利用可能な認可された治療法の基礎を形成する。IFNは、ウイルス感染に応じて免疫細胞によって生じた糖タンパク質である。]
[0125] 多くの特許は、インターフェロンベースの治療法を使用する、HCVを含むフラビウイルス科ウイルス治療を開示している。例えば、Blattらに対する米国特許第5,980,884号は、共通インターフェロンを使用するHCVを罹患した患者の再治療のための方法を開示している。Bazerらに対する米国特許第5,942,223号は、ヒツジ又はウシインターフェロン-τを使用する抗HCV治療法を開示している。Alberらに対する米国特許第5,928,636号は、HCVを含む感染性疾患の治療のためのインターロイキン-12とインターフェロン-αとの併用療法を開示している。Chretienらに対する米国特許第5,849,696号は、HCVを治療するために、単独での又はインターフェロンとの併用でのチモシンの使用を開示している。Valtuenaらに対する米国特許第5,830,455号は、インターフェロン及びフリーラジカルスカベンジャーを採用する併用HCV療法を教示している。Imakawaに対する米国特許第5,738,845号は、HCVを治療するためのヒトインターフェロン-τタンパク質の使用を教示している。HCVについての他のインターフェロンベースの治療は、Testaらに対する米国特許第5,676,942号及びBlattらに対する米国特許第5,372,808号に与えられている。また、例えば、すべてがHoffmann‐LaRoche社に対する米国特許第5,747,646号;第5,792,834号;及び第5,834,594号;Enzonに対するPCT WO99/32139及びWO99/32140;Schering Corporationに対するWO95/13090並びに米国特許第5,738,846号及び第5,711,944号;及びGlueらに対する米国特許第5,908,621号などのいくつかの特許は、インターフェロンのペグ化した形態及びその使用を開示している。]
[0126] インターフェロンα-2a及びインターフェロンα-2bは現に、HCVの治療のための単独療法として認可されている。Roche製のROFERON(登録商標)-Aは、インターフェロンα-2aの組換え形態である。Roche製のPEGASYS(登録商標)は、インターフェロンα-2aのペグ化した又はポリエチレングリコールで改変した形態である。Schering Corporation製のINTRON(登録商標)は、インターフェロンα-2bの組換え形態であり、Schering Corporation製のPEG-INTRON(登録商標)は、インターフェロンα-2bのペグ化した形態である。]
[0127] 他の形態のインターフェロンα並びにインターフェロンβ、γ、τ及びωは、HCVの治療のために目下のところ開発中である。ここに含まれる例は、InterMuneによるインターフェロンアルファコン-1であるINFERGEN; Viragenによる天然のインターフェロンであるOMNIFERON;Human Genome SciencesによるALBUFERIN;AresSeronoによるインターフェロンβ-1aであるREBIF;BioMedicineによるωインターフェロン;Amarillo Biosciencesによる経口インターフェロンα;並びにInterMuneによるインターフェロンγ、τ、及びγ1-bである。]
[0128] リバビリン(1-β-D-リボフラノシル-1-1,2,4-トリアゾリル-3-カルボキサミド)は、商標名Virazoleの下で販売されている広いスペクトルの抗ウイルスヌクレオシドアナログを誘導する合成の非インターフェロンである(Budavari, Sの文献「メルク索引、第11版(The Merck Index, 11th Ed.)」(1989,Merck & Co.社,Rahway,NJ;p.1304))。米国特許第3,798,209号及びRE29,835を参照されたい。構造的に、リバビリンは、グアノシンと類似しており、フラビウイルス科ウイルスを含むいくつかのDNAウイルス及びRNAウイルスに対するインビトロでの活性を有する(Gary L.Davisの文献(2000,Gastroenterology,118:S104‐S114))。]
[0129] リバビリンは、患者の40%において血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常にまで減少させるが、HCV-RNAの血清レベルを低下させない(Gary L.Davisの文献(2000,Gastroenterology,118:S104-S114))。慢性C型肝炎についての介護の現行の標準は、αインターフェロンとリバビリンとの併用療法である。]
[0130] PEG-INTRON(登録商標)(ペグインターフェロンα-2b)カプセルとREBETOL(登録商標)(リバビリン,米国薬局方)カプセルとの併用療法は、Schering Corporationから入手可能である。また、Schering Corporation製のREBETOL(登録商標)は、INTRON(登録商標)A(Schering Corporation製の組換えインターフェロンα-2b)との併用ですでに認可されている。また、Roche製のPEGASYS(登録商標)(ペグ化したインターフェロンα-2a)及びCOPEGUS(登録商標)(リバビリン)もHCV感染の治療のためにすでに認可されている。]
[0131] すべてSchering Corporationに対するPCT WO99/59621、WO00/37110、WO01/81359、WO02/32414及びWO03/024461は、HCV感染の治療のためのペグ化したインターフェロンαとリバビリンとの併用療法の使用を開示している。また、すべてHoffmann-LaRoche社に対するPCT WO99/15194、WO99/64016及びWO00/24355は、HCV感染の治療のためのペグ化したインターフェロンαとリバビリンとの併用を開示している。]
[0132] フラビウイルス科ウイルス感染を治療するための、特にヘパシウイルスHCVによる感染のための新たな抗ウイルス薬の開発は進展下にある。プロテアーゼ、ヘリカーゼ、及びポリメラーゼのようなHCV由来の酵素の特異的阻害剤は研究中である。また、HCV複製における工程を阻害する薬物も研究中であり、RNAからのHCV抗原の産生を遮断する薬物(IRES阻害剤)、HCVタンパク質の正常なプロセシングを防止する薬物(グリコシル化阻害剤)、HCV受容体を遮断することなどによりHCVの細胞への進入を遮断する薬物、及びウイルス感染によって生じた細胞傷害を遮断する非特異的細胞保護薬を含む。その上、C型肝炎ウイルスによる感染を治療する分子レベルのアプローチは研究中である。例えば、特異的ウイルスRNA分子を破壊する酵素であるリボザイム、及びウイルスRNAに結合しかつウイルスRNAを阻害するDNAの小さな相補的セグメントであるアンチセンスオリゴヌクレオチドの研究は、研究中である。HCV治療に関する総説は、Bymockらの文献(Antiviral Chemistry & Chemotherapy,2000,11:2)及びDe Francescoらの文献(Antiviral Res.,2003,58:1-16)に見出すことができる。]
[0133] フラビウイルス科ウイルス感染及びC型肝炎感染を治療するために開発中の他のクラスの薬物には特に下記を含む:
1)プロテアーゼ阻害剤:
a.基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤は、Attwoodらの文献(WO98/22496及び独国特許第19914474号)によって;Attwoodらの文献(Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1999, 10:259-273)によって;及びTungらの文献(WO98/17679)によって開示されており、これらにはαケトアミド及びヒドラジノ尿素が含まれている;
b.ボロン酸又はリン酸のような求電子剤において終止する基質阻害剤は、WO99/07734におけるLlinas‐Brunetらによって示されている;
c.Biochemical and Biophysical Res.Comm.,1997,238:643-7における及びAntiviral Chemistry and Chemotherapy,1998,9:186におけるSudoらによって示された2,4,6-トリヒドロキシ-3-ニトロ-ベンズアミド誘導体であるRD3-4082及びRD3-4078(前者は、アミドにおいて14-炭素鎖と置換され、後者はパラ-フェノキシフェニル基を有する。)などの非基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤;
d.Tetrahedron Letters,1996,37:7229-32におけるChuらによって開示されたフェナントレンキノンであるSch68631、及びBioorganic and Medical Chem. Lett., 9:1949-52におけるChuらによって開示された真菌ペニシリウムグリセオフルバム(Penicillium griseofulvum)から単離されたSch351633;
e.Qasimらの文献(Biochemistry,1997,36:1598‐1607)によって開示されたS.グリセウス(griseus)プロテアーゼA及びB、α-キモトリプシン、キマーゼ、及びサブチリシンのようないくつかのセリンプロテアーゼに対するナノモルレベルの効力阻害を呈する、ヒルから単離された巨大分子であるエグリンc;
f.Spruceらに対する米国特許第6,004,933号において開示されたHCVエンドペプチダーゼ2を阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤;
g.Zhangらに対する米国特許第5,990,276号に示された、プロテアーゼ及び/又は共因子によって利用される基質の結果である、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ又はNS4A共因子の合成阻害剤;
h.Reyesらに対する米国特許第5,538,865号において開示された、HCVを治療する制限酵素;
i.Corvas International社に対するWO02/008251において、並びにSchering Corporationに対するWO02/08187及びWO02/008256において示された、HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤などのペプチド;
j.Boehringer Ingelheimに対する米国特許第6,534,523号;第6,410,531号;及び第6,420,380号並びにBristol Myers Squibbに対するWO02/060926において開示されたHCVトリペプチド阻害剤;
k.WO02/48172におけるSchering Corporation によって教示されたHCVのセリンプロテアーゼ阻害剤様のジアリールペプチド;
l.Schering Corporationに対するWO02/08198及びBristol Myers Squibbに対するWO02/48157において開示された、HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤様のイミダゾリジノン;並びに
m.WO98/17679におけるVertex Pharmaceuticals によって、及びWO02/48116におけるBristol Myers Squibb によって教示されたHCVプロテアーゼ阻害剤。
2)Sudoらの文献(Antiviral Res., 1996, 32:9‐18)によって示された、NS3/4A融合タンパク質及びNS5A/5B基質を使用する逆相HPLCアッセイにおける関連性のある阻害を示すチアゾリジン誘導体、特に長いアルキル鎖によって置換された融合したシナモイル部分を有する化合物RD4 6205、RD4 6193、及びRD-1-6250;
3)Kakiuchiらの文献(J. EBSLetters, 421:217-220)及びTakeshitaらの文献(Analytical Biochemistry, 1997, 247:242-46)によって開示されたチアゾリジン及びベンズアニリド;
4)米国特許第5,633,358号及びWO97/36554におけるDianaらによって開示されたヘリカーゼ阻害剤;
5)Ferrariらの文献(J.Virology,1999,73:1649-54)によって示されたヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤及びグリオトキシン;
6)V.Lohmannらの文献(Virology,1998,249:108-118)によって示された天然産物であるセルレニン;
7)M.Altらの文献(Hepatology,1995,22:707-717)によって示されたフラビウイルス科ウイルスsの5'非コード化(NCR)における配列ストレッチに相補的なアンチセンスホスホロチオアートオリゴデオキシヌクレオチド(S-ODN);
8)M.Altらの文献(Archives of Virology,1997,142:589-599);Galderisiらの文献(J.of Cellular Physiology,1999,181:251-257)によって示されたNCRの3'末端とHCV RNAの中心コード領域に配置されたヌクレオシド371〜388とを含むヌクレオチド326〜348;
9)Ikedaらの文献(日本国特許第08268890号)及びY.Kaiらの文献(日本国特許第10101591号)によって開示されたIRES依存的翻訳の阻害剤
10)D.D.Maccjakらの文献(Hepatology,1999,30:要約番号995);米国特許第6,043,077号におけるBarberら;並びに米国特許第5,869,253号及び第5,610,054号におけるDraperらによって示されたヌクレアーゼ抵抗性リボザイムなどのリボザイム;
11)任意で医薬として許容し得る担体において単独で又は別の抗ウイルス薬との併用で投与される有効量の生物活性のある1',2',3'又は4'-分岐鎖β-D若しくはβ-Lヌクレオシド又はその医薬として許容し得る塩若しくは誘導体を投与することを含む、ヒト及び他の宿主動物におけるC型肝炎、ペスチウイルス及び/又はフラビウイルス感染の治療のための1つの方法が開示されているWO01/92282、WO01/90121、米国特許第6,812,219号及び米国特許第6,914,054号におけるIdenix Pharmaceuticalsによって示された、フラビウイルス、ペスチウイルス、及びヘパシウイルスの治療における分岐鎖ヌクレオシドの使用を含むヌクレオシドアナログ。また、ヌクレオシドアナログは、BioChem Pharma社(現Shire Biochem社)に対するWO01/32153及びWO01/60315;Merck& Co.社によって出願されたWO02/057425及びWO02/057287;RocheによるWO02/18404;Pharmasset,Ltd.からのWO01/79246、WO02/32920、及びWO02/48165;並びにEmory Universityに対するWO99/43691にも見出される。2003年4月27日にSavannah,GAで開催された第16回抗ウイルス研究に関する国際会議(16th International Conference on Antiviral Research)の口頭セッションV、C型肝炎ウイルス、フラビウイルス科ウイルスにおいて、HCVの阻害のための2'-修飾したヌクレオシドが、Eldrupらによって記載されており;HCV RNA複製の考え得る阻害剤としてのヌクレオシドアナログは、Bharら(p.A75)によって教示されており、ここで、該著者は、2'-修飾したヌクレオシドが、細胞ベースのレプリコンアッセイにおいて強い阻害活性を示すことを報告しており;HCV RNA複製に及ぼす2'-修飾したヌクレオシドの効果は、Olsenら(p.A76)によって報告された。
12)フラビウイルス科ウイルス感染及びC型肝炎感染を治療するために開発中の種々の化合物には特に下記を含む:Goldらに対する米国特許第6,034,134号に記載された1-アミノ-アルキルシクロヘキサン;Chojkierらに対する米国特許第5,922,757号におおけるアルキル脂質、ビタミンE及び他の抗酸化剤;Ozekiらに対する米国特許第5,846,964号に示されたスクアレン、アマンタジン、及び胆汁酸;Dianaらの文献(米国特許第5,830,905号)に見出されるN-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸及びピペリジン;Dianaらに対する米国特許第5,633,388号に開示されたベンゼンジカルボキサミド;Wangらに対する米国特許第5,496,546号に記載されたポリアデニル酸誘導体;Yarchaonらに対する米国特許第5,026,687号に見出される2',3'-ジデオキシイノシン;Colacinoらに対する米国特許第5,891,874号に示されたベンズイミダゾール;並びにTsaiらに対する米国特許第5,837,257号及びOmerらに対する米国特許第5,725,859号に示された植物抽出物。
13)C型肝炎ウイルスの治療のための化合物には下記を含む:Schering Ploughによるインターロイキン-10;Vertexによるメリメボジブ(Merimebodib)(VX-497);Endo Labs Solvayによるアマンタジン(登録商標)(シンメトレル(Symmetrel));RPIによるヘプタザイム(HEPTAZYME)(登録商標);Idun PharmaceuticalsによるIDN-6556;XTLによるXTL-002;ChironによるHCV/MF59;NABIによるシバシル(CIVACIR)(登録商標)(C型肝炎免疫グロブリン);ICN/Ribapharmによるレボビリン(LEVOVIRIN)(登録商標);ICN/Ribapharm(Valeant)によるビラミジン(VIRAMIDINE)(登録商標);Sci Cloneによるザダキシン(ZADAXIN)(登録商標)(チモシンα-1);Sci Cloneによるチモシン+ペグ化したインターフェロン;Maximによるセプレン(CEPLENE)(登録商標)(二塩酸ヒスタミン);Vertex/Eli LillyによるVX950/LY 570310;Isis Pharmaceutical/ElanによるISIS14803;AKROS PharmaによるJTK003;Boehringer IngelheimによるBILN‐2061;Rocheによるセルセプト(CellCept)(ミコフェノール酸モフェチル);TularikによるT67(β‐チューブリン阻害剤);InnogeneticsによるE2に関する治療用ワクチン;Fujisawa HealthcareによるFK788;IdB1016(シリホス(Siliphos),経口シリビンホスファチジルコリンフィトソーム(phytosome));ViroPharma/WyethによるRNA複製阻害剤VP50406;Intercell及びEpimmune/Genencorによる治療用ワクチン;AnadysによるIRES阻害剤;AnadysによるANA245及びANA246;Avantによる免疫治療法「Therapore」;Bristol Myers Squibb/Axys及びCorvas/Scheringによるプロテアーゼ阻害剤;Vertexによるヘリカーゼ阻害剤;Trimerisによる融合阻害剤;CellExSysによるT細胞治療法;Biocrystによるポリメラーゼ阻害剤;PTCTherapeuticsによる標的指向化RNA化学物質;Immtech,Internationalによる二価陽イオン(Dication);Agouron及びChiron/Medivirによるプロテアーゼ阻害剤;AVIBioPharma及びHybridonによるアンチセンス治療法;Aethlon Medicalによる血液精製剤;Merixによる治療用ワクチン;Tripepによる治療用ワクチン「Chron-VacC」;United TherapeuticsによるUT231B;Genelabs Technologiesによるプロテアーゼ、ヘリカーゼ及びポリメラーゼ阻害剤;ImmusolによるIRES阻害剤;Rigel PharmaceuticalsによるR803;InterMuneによるINFERGEN(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Viragenによるオムニフェロン(OMNIFERON)(登録商標)(天然インターフェロン);Human Genome Sciencesによるアルブフェロン(ALBUFERON)(登録商標);Ares-Seronoによるレビフ(REBIF)(登録商標)(インターフェロンβ-1a);BioMedicineによるωインターフェロン;Amarillo Biosciencesによる経口インターフェロンα;InterMuneによるインターフェロンγ、τ及びγ-1b;Valeantによる共通インターフェロン;Onyx PharmaceuticalsによるNexavar;Progen IndustriesによるPI-88;BioAlliance Pharmaによるドキソルビシントランス薬(transdrug);Jenken BiosciencesによるJBK‐122;Idenixによるバロピシタビン(Valopicitabine);VGX PharmaceuticalsによるVGX‐410C;Migenixによるセルゴシビル(Celgosivir);Bioenvisionによるスバス(Suvus);Viragenによるマルチフェロン(Multiferon);Intarciaによるωインターフェロン;InnogeneticsによるINNO0101(E1);PfizerによるPF-03491390;Flamel Technologiesによるクラゲインターフェロン;IntercellによるIC41;ScheringによるSCH503034;GlaxoSmithKlineによるG126270;PharmexaによるGV1001;RocheによるR1626;Maxygen/Roche;Pharmasset/RocheによるR7128;Nautilus Biotechによるベレロフォン(Belerofon);Romarkによるアリニア(Alinia);Peregrineによるバビツキシマブ(Bavituximab);Amarillo Biosciencesによる経口インターフェロンα;NovelosによるNOV-205;GlobeImmuneによるCGI5005;ViroPharma/WyethによるHCV‐796;Chiron/NorvartisによるHCV/MF59;Transition TherapeuticsによるEMZ702;BiopharmaによるAVI‐4065;ANADYSによるANA975;Antipodean Pharmaceuticals,IncによるMitoQ;Achillion PharmaceuticalsによるACH-0137171;RocheによるR1626;XTLによるXTL-2125;XTLによるXTL-6865;Biolex Therapeutics/OctoPlusによるBLX-883;DEBIOによるDEBIO-025;並びにUnited TherapeuticsによるUT-231B;並びに
14)Idenix Pharmaceuticalsに対するWO00/09531及びWO01/96353に開示されたHBVの治療のための2'-デオキシ-β-L-ヌクレオシド及びその3'-プロドラッグを含む他の形態の肝炎の治療のために先に記載されたヌクレオシドプロドラッグ、並びにBeauchampに対する米国特許第4,957,924号に示されたアシクロビルの治療用エステル。]
[0134] 本明細書に開示された化合物との併用及び/又は交代で使用することのできる抗ウイルス薬の他の例には、VX-950及びインターフェロンなどの薬剤を含むが、これらに限定されるわけではない。使用してもよいインターフェロンには、Schering-Plough製のαインターフェロン-2b製品であるイントロン(Intron)(登録商標)A及びPEG-イントロン(商標);並びにHoffman LaRoche製のコペガサス(Co-Pegasus)及びペガシス(PEGASYS)(ペグ化したインターフェロンα-2a)が含まれる。]
[0135] 6.6.2.B型肝炎薬
B型肝炎薬は、B型肝炎感染の治療を必要とする宿主においてB型肝炎感染の治療に有効な当業者に公知のいずれかの薬剤であり得る。ある実施態様において、B型肝炎薬は、インターフェロン-α(イントロンA,Schering‐Plough)、ペグ化したインターフェロン(ペガシス,Roche)、ラミブジン(エピビル(Epivir)-HBV、ゼフィックス(Zeffix)、又はヘプトジン(Heptodin)、GlaxoSmithKline)、アデフォビルジピボキシル(ヘプセラ(Hepsera)、Gilead)、エンテカビル(バラクルード(Baraclude),Bristol-Myers-Squibb)、テルビブジン(タイゼカ(Tyzeka)又はセビボ(Sebivo),Idenix)又はHBV免疫グロブリン(HyperHEP S/D,Talecris;Nabi-HBV,Nabi;Hepa Gam B,Cangene)である。]
[0136] ある実施態様において、B型肝炎薬は、FTC(エムトリシタビン、Gilead)、L‐FMAU(クレブジン,Pharmasset;レボビル,Bukwang)、テノホビル(ビリアード,Gilead)、モノバルLdC(バルトシタビン,Idenix)、DAPD(アムドキソビル,RFSPharmLLC)、Ana380(LB80380,Anadys)、レモフォビル(プラデフォビル,Schering-Plough)、ラシビル(RCV,Pharmasset)、BAM-205(NOV-205,Novelos)、XTL-001(HepeX-B,XTL Biopharm,Cubist)、ニトキサニド(アリニア,Romark Labs)、UT231-B(United Therapeutics)、Bay 41-4109(Bayer)、EHT899(Enzo Biochem)、チモシンα-1(ザダキシン,SciClone)、Hi-8HBV(Oxxon)、eiRNA(HepX,Nucleonics)、HepaVaxx B(Virexx)、HBV中心抗原ワクチン(Emergent Europe)、又はSpecifEx-HepB(Chromos)である。]
[0137] 6.6.3.抗HIV薬を含む他の抗ウイルス薬
当技術分野で公知の又は本明細書に記載されたウイルス治療のいずれかを、本明細書に記載された活性成分との併用で又は交代で使用することができる。制限のない例には、a)プロテアーゼ阻害剤;b)チアゾリジン誘導体;c)ヘリカーゼ阻害剤;d)ベンズアニリド;e)フェナントレンキノン;f)ポリメラーゼ阻害剤及びグリオトキシン;g)アンチセンスホスホロチオアートオリゴデオキシヌクレオチド(S‐ODN);h)IRES依存性翻訳の阻害剤;i)リボザイム;j)ヌクレオシドアナログ;k)WO01/90121、WO01/92282、WO04/00300、WO04/002999、及びWO04/002422におけるIdenix Pharmaceuticalsによって開示された二置換ヌクレオシドアナログ;1)2'-フルオロヌクレオシドアナログ;m)1-NH2-アルキルシクロヘキサン;n)アルキル脂質;o)ビタミンE及び他の抗酸化剤;p)スクアレン、アマンタジン及び胆汁酸;q)N-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸;r)ベンゼンジカルボキサミド;s)ポリアデニル酸誘導体;t)ベンズイミダゾール;u)2',3'-ジデオキシイノシン;v)植物抽出物;w)ピペリジン;並びにx)リバビリン及びインターフェロンのファミリーを含む、ペスチウイルス、フラビウイルス及び/又はヘパシウイルスの治療のために現に前臨床的又は臨床的開発にある他の化合物を含む。]
[0138] HIVの治療のための第二の抗ウイルス薬は、例えば、プロテアーゼ阻害剤、HIV-インテグラーゼ阻害剤、ケモカイン阻害剤、又は逆転写酵素阻害剤(「RTI」)であり得、これらのうちの後者は、合成ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(「NRTI」)又は非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(「NNRTI」)のいずれかであり得る。他の実施態様において、第二又は第三の化合物は、ピロリン酸アナログ又は融合-結合阻害剤であってもよい。ある抗ウイルス化合物についてインビトロ及びインビボで回収された抵抗性データを編集するリストは、Schinaziらの文献「薬物抵抗性と関連したレトロウイルス遺伝子における変異(Mutations in retroviral genes associated with drug resistance)」(International Antiviral News, 1997, 5(8))に見出される。]
[0139] ある実施態様において、活性成分は、FTC(2',3'-ジデオキシ-3'-チア-5-フルオロシチジン);141W94(アンプレナビル,Glaxo Wellcome, Inc.);ビラミューン(ネビラピン);レスクリプター(デラビルジン);DMP-266(エファビレンツ);DDI(2',3'-ジデオキシイノシン);3TC(3'-チア-2',3'-ジデオキシシチジン);DDC(2',3'-ジデオキシシチジン)、コハク酸(1S,4R)-4-[(2-アミノ-6-シクロプロピル-アミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノールであるアバカビル(1592U89)、テノホビルDF(ビリアード)、D4T、又はAZTとの併用で及び/又は交代で投与される。]
[0140] 本明細書に開示された化合物との併用で及び/又は交代で使用することのできる抗ウイルス薬の他の例には、ホスカルネット;カルボビル;アシクロビル;インターフェロン;エンフビルチドなどの融合阻害剤;並びにβ-D-ジオキソラニルグアニン(DXG)、β-D-ジオキソラニル-2,6-ジアミノプリン(DAPD)、及びβ-D-ジオキソラニル-6-クロロプリン(ACP)などのβ-D-ジオキソランヌクレオシドを含むが、これらに限定されるわけではない。使用してもよいインターフェロンには、Schering-Plough製のαインターフェロン-2b製品であるイントロン(登録商標)A及びPEG-イントロン(商標);並びにHoffman LaRoche製のコペガサス及びペガシス(ペグ化したインターフェロンα-2a)が含まれる。3-ホスホインドールを投与することのできる併用には、エプジコム(ABC+3TC)、トリジビル(ABC+3TC+AZT)、ツルバダ(登録商標)(エムトリバ(登録商標)(エムトリシタビン;FTC))及びビリアード(登録商標)(フマル酸テノホビルジソプロキシル;テノホビルDF))並びにコンビビル(AZT+3TC)が含まれる。]
[0141] 本明細書に開示された化合物との併用で及び/又は交代で使用することのできるプロテアーゼ阻害剤の例には、インジナビル(硫酸{1(1S,2R),5(S)}-2,3,5-トリデオキシ-N-(2,3-ジヒドロ-2-ヒドロキシ-1H-インデン-1-イル)-5-[2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-4-(3-ピリジニルメチル)-1-ピペラジニル]-2-(フェニルメチル)-D-エリスロ-ペントアミド;Merck & Co.社);ネルフィナビル(Agouron);リトナビル(Abbott Labs)、サキナビル(Roche);アンプレナビル;アタザナビル;ホスアンプレナビル;カレトラ;及びDMP‐450{[4R-4(r-a,5-a,6-b,7-6)-ヘキサヒドロ-5,6-ビス(ヒドロキシ)-1,3-ビス(3-アミノ)-フェニル]メチル-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オン}-ビスメシラート(Triangle Pharmaceuticals社)を含むが、これらに限定されるわけではない。]
[0142] 活性成分との併用又は交代で投与して化合物の抗ウイルス特性を増強することのできる他の該化合物には、コハク酸(1S,4R)-4-[2-アミノ-6-シクロプロピル-アミノ-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(1592U89,カルボビルアナログ,GlaxoSmithKline製);BILA 1906(N-{1S-[[[3-[2S-{(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル} -4R-]3-ピリンジニルメチル)チオ]-1-ピペリジニル]-2R-ヒドロキシ-1S-フェニルメチル)プロピル]-アミノ]カルボニル]-2-メチルプロピル}-2-キノリンカルボキサミド)(Bio Mega/Boehringer Ingelheim);BILA 2185(N-(1,1-ジメチルエチル)-1-[2S-[[[2-2,6-ジメチル-フェノキシ]-1-オキソエチル]アミノ]-2R-ヒドロキシ-4-フェニルブチル]4R-ピリジニルチオ-2-ピペリジン-カルボキサミド)(Bio Mega/Boehringer Ingelheim);BM+51.0836(トリアゾロイソ-インドリノン誘導体)及びBMS 186,318(アミノジオール誘導体HIV-1プロテアーゼ阻害剤)(Bristol-Myers Squibb);d4API(9-[2,5-ジヒドロ-5-(ホスホノメトキシ)-2-フラニル]-アデニン)(Gilead);HBY097(S-4-イソプロポキシカルボニル-6-メトキシ-3-[メチルチオ-メチル]-3,4-ジヒドロキノキサリン-2(1H)-チオン);HEPT(1-[(2-ヒドロキシ-エトキシ)メチル]6-[フェニルチオ]-チミン);KNI-272((2S,3S)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸含有トリペプチド);L-697,593(5-エチル-6-メチル-3-(2-フタルイミド-エチル)ピリジン-2(1H)-オン);L-732,524(ヒドロキシ-アミノペンタンアミドHIV-1,プロテアーゼ阻害剤)(Merck&Co.);L-697,661(3-{[(-4,7-ジクロロ-1,3-ベンゾキサゾール-2-イル)メチル]アミノ}-5-エチル-6-メチル-ピリジン-2(1H)-オン);L-FDDC((-)-β-L-5-フルオロ-2',3'-ジデオキシシチジン);L-FDOC((-)-β-L-5-フルオロ-ジオキソランシトシン);PFA(ホスホノギ酸;「ホスカルネット」;Astra);PMEA(9-(2-ホスホニルメトキシエチル)アデニン)(Gilead);PMPA((R)-9-(2-ホスホニルメトキシ-プロピル)-アデニン)(Gilead);Ro 31-8959(ヒドロキシエチルアミン誘導体HIV‐1プロテアーゼ阻害剤)(Roche);RPI-3121(ぺプチジルプロテアーゼ阻害剤,1-[(3S)-3-(n-α-ベンジルオキシ-カルボニル)-1-アスパルギニル)-アミノ-2-ヒドロキシ-4-フェニルブチリル]-n-tert-ブチル-1-プロリンアミド);2720(6-クロロ-3,3-ジメチル-4-(イソプロペニルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロ-キノキサリン-2(1H)チオン);SC-52151(ヒドロキシエチル尿素同配体(isostere)プロテアーゼ阻害剤)(G.D.Searle);SC-55389A(ヒドロキシエチル-尿素同配体プロテアーゼ阻害剤)(G.D.Searle);TIBO R82150((+)-(5S)-4,5,6,7-テトラヒドロ-5-メチル-6-(3-メチル-2-ブテニル)-イミダゾ-[4,5,1-jk]-[1,4]-ベンゾジアゼピン-2(1H)-チオン)(Janssen Pharmaceuticals);TIBO 82913((+)-(5S)-4,5,6,7-テトラヒドロ-9-クロロ-5-メチル-6-(3-メチル-2-ブテニル)イミダゾ[4,5,1-jk]-[1,4]-ベンゾ-ジアゼピン-2(1H)-チオン(Janssen Pharmaceuticals);TSAO-m3T([2',5'-ビス-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3'-スピロ-5'-(4'-アミノ-1',2'-オキサチオール-2',2'-ジオキシド)]-β-D-ペントフラノシル-N3-メチル-チミン);U90152(1-[3-[(1-メチルエチル-アミノ]2-ピリジニル]-4-[[5-[(メチルスルホニル)-アミノ]-1H-インドール-2-イル]-カルボニル]-ピペラジン);UC(チオ-カルボキサニリド誘導体)(Uniroyal);UC-781(N-[4-クロロ-3-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)フェニル]-2-メチル-3-フランカルボチオアミド);UC-82(N-[4-クロロ-3-(3-メチル-2-ブテニルオキシ)フェニル]-2-メチル-3-チオフェンカルボチオアミド);VB 11,328(ヒドロキシエチル-スルホンアミドプロテアーゼ阻害剤)(Vertex/Glaxo Wellcome);XM 323(環状尿素プロテアーゼ阻害剤)(Dupont Merck);及びペンシクロビルを含む。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される化合物は、プロテアーゼ阻害剤LC1350と併用して投与される。]
[0143] 下記の薬物は、本明細書に提供される化合物との併用及び/又は交代で使用することができる。]
[0144] 活性成分との併用及び/又は交代で使用することができるさらなる薬物には下記を含む:]
[0145] 下記の薬物は、本明細書に提供される化合物との併用及び/又は交代で使用することができる。]
[0146] HIV感染とエイズとの合併症の治療のために米国食品医薬品局によって治験薬(IND)として進めることが認められた製品を使用することができる。下記の薬物は、本明細書に提供される活性成分との併用及び/又は交代で使用することができる。
・標準的な形態の治療を許容できないエイズ患者におけるニューモシスティスカリニ肺炎の治療のためのグルクロン酸トリメトトレキサート。
・エイズ患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の治療のためのガンシクロビル。
・エイズ患者におけるニューモシスティスカリニ肺炎の予防のためのエアロゾル化したペンタミジン。
・ジドブジン関連貧血の治療のためのエリスロポエチン。
・トリメトプリン-スルファメトキサゾールに不耐性の又は応答しないニューモシスティスカリニ肺炎を罹患しているエイズ患者の治療のためのアトバクオン。
・エイズ患者におけるマイコバクテリウムアビウムコンプレックス菌血症に対する予防のためのリファブチン。
・治療にもかかわらず進行したサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎を再発しているエイズ感染者のためのビスタイド静脈内シドフォビル(Hoffmann-LaRoche)。
・エイズ関連消耗の治療のための哺乳類由来の組換えヒト成長ホルモンであるセロスティム(Serono Laboratories)。]
[0147] 特定の実施態様において、本明細書に開示される活性成分は、1つ、2つ又はそれより多くの他の抗HIV薬と併用又は交代で投与することができる。一下位実施態様において、さらなる薬物は下記から選択される:
15)アンプレナビル、チプラナビル、インジナビル、サキナビル(メシル酸サキナビルを含む。)、ロピナビル、リトナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビル、アタザナビル(その硫酸塩を含む。)、及びネルフィナビル(そのメシル酸塩を含む。)から任意に選択されるプロテアーゼ阻害剤;
16)ラミブジン、エムトリシタビン、アバカビル、ザルシタビン、ジドブジン、テノホビル(フマル酸テノホビルジソプロキシルを含む)、ジダノシン、及びスタブジンから任意に選択されるヌクレオシド又はヌクレオチド逆転写酵素阻害剤;
17)デラビルジン、エファビレンツ及びネビラピンから任意に選択される非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;
18)アトリプラ、コンビビル、トリジビル及びツルバダから任意に選択される一定用量の併用;
19)マラビロク及びエンフビルチドから任意に選択される侵入阻害剤(融合阻害剤又はCCR5共受容体アンタゴニストなど);並びに
20)ラルテグラビル(MK‐0518)又はエルビテグラビル(GS‐9137)などのインテグラーゼ阻害剤。]
[0148] さらなる抗HIV薬を使用する場合、該抗HIV薬は、塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ形態、多形、鏡像異性体及びそれらの類似物など、任意で別の形態であってもよい。また、該さらなる抗HIV薬は、下記から選択できる:
21)アムドキソビル、アプリシタビン、及びエルブシタビンから任意に選択されるヌクレオシド逆転写酵素;
22)任意にブレカニビル又はGS-8374であるプロテアーゼ阻害剤;
23)アプラビロク、PRO2000及びビクリビロクから任意に選択されるCCR5受容体アンタゴニスト;
24)任意にエトラビリン(TMC-125)、リルピビリン(TMC-278)、又はカラノリドAである非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;
25)任意にエルビテグラビル、GSK‐364735又はラルテグラビルであるインテグラーゼ阻害剤;
並びに:
任意にベビリマート(PA457)である成熟阻害剤;
ヒドロキシ尿素などの細胞阻害剤;
ビクリビロク又はTNX-355などの侵入阻害剤;及び
イムニチン(α-エピブロミド(epibromide))、プロロイキン(IL-2)、レミューン(HIV-1免疫原)、BAY50-4798又はIR103。]
[0149] 本明細書に記載されたウイルス又はその他の容態に感染したヒトを含む宿主は、有効量の活性成分を患者に投与することによって治療することができる。多剤耐性を有する対象に対して、活性成分は、単独又は1つ以上の他の治療薬との併用のいずれかで投与することができる。活性化合物は、いずれかの適切な経路、例えば、経口的に、非経口的に、経腸的に、静脈内に、皮内に、皮下に、経皮的に、経真皮的に、鼻内に、局所的に又は吸入療法によって投与してもよく、固体、液体又は蒸気の形態にあり得る。]
[0150] 一実施態様における活性成分は、患者に治療的有効量の活性化合物を送達するのに十分な量で投与され、治療される対象において重度の毒性効果を生じることなく、例えばウイルス感染を阻害する。「阻害量」には、例えば本明細書に言及されるものなどのアッセイによって測定されたウイルス複製を停止させるのに十分な活性成分の量が含まれる。]
[0151] 化合物の典型的な用量は、1日あたり約1〜約50mg/体重kg、約1〜約20mg/体重kg、より一般的には1日あたりレシピエントの約0.1〜約100mg/体重kgの範囲にあってもよい。より低い薬用量、例えば、1日あたり約0.5〜100mg/体重kg、0.5〜10mg/体重kg、又は0.5〜5mg/体重kgの用量を使用してもよい。さらにより低い用量が有用であってもよく、このような範囲には1日あたりレシピエントの約0.1〜0.5mg/体重kgを含むことができる。医薬として許容し得る誘導体の有効な薬用量範囲は、送達されるべき親インドール誘導体化合物の重量に基づいて算出される。誘導体化合物自体が活性を呈する場合、有効な薬用量は、誘導体の重量を使用して先のように、又は当業者に公知の他の手段によって概算することができる。]
[0152] 化合物は、単位剤形あたり約7〜3000mg、約70〜1400mg、又は約25〜1000mgの活性成分を含む剤形を包含するがこれらに限定されるわけではないいずれかの適切な剤形の単位で簡便に投与される。例えば、50、100、200、250、300、400、500、600、700、800、900又は1000mgうちの1つ又は複数の剤形を含む約50〜1000mgの経口薬用量が通常簡便である。より低い薬用量、例えば約10〜100mg又は1〜50mgが好ましいかもしれない。また、0.1〜50mg、0.1〜20mg、又は0.1〜10mgの用量が企図される。さらに、より低い用量は、例えば注射又は吸入によるなどの非経口経路によって投与する場合に利用してもよい。]
[0153] 活性成分は、単回で投与されてもよく、又は時間間隔を空けて投与されるべきいくつかのより少量の用量へと分割されてもよい。治療の精確な薬用量及び期間は、治療中の疾患と相関しており、公知の検査プロトコールを使用して、又はインビボ若しくはインビトロでの検査データからの推定によって経験的に決定されてもよいことは理解される。また、濃度及び薬用量の値が、緩和されるべき容態の重度とともに変動してもよいことは留意されるべきである。いずれかの特定の対象に対して、具体的な薬用量療法が、個体の需要及び組成物の投与を管理し又は監督する人の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであること、並びに本明細書に示される濃度範囲が典型的であるにすぎず、本明細書に提供される組成物の範囲又は実施を制限するよう意図するものではないことはさらに理解されるべきである。]
[0154] ある実施態様において、本明細書に提供される化合物又は組成物は、1日1回単回用量として、又は好ましくは1日を通じて分割された用量として投与することができる。特定の実施態様において、該化合物又は組成物は1日あたり4回投与される。特定の実施態様において、該化合物又は組成物は1日あたり3回投与される。特定の実施態様において、該化合物又は組成物は1日あたり2回投与される。特定の実施態様において、該化合物又は組成物は1日1回投与される。]
[0155] 一実施態様において、活性成分は、約0.02〜70μM又は約0.5〜10μMの活性化合物のピーク血漿濃度に到達するよう投与される。例えば、このことは、任意で塩類溶液における0.1〜5%溶液の活性成分の静脈内注射によって達成することができ、又は活性成分のボーラスとして投与することができる。いずれかの特定の対象に対して、具体的な薬用量療法が個体の需要に合致するよう経時的に調整されるべきであり、かつ薬物の吸収速度、不活性化速度及び排出速度に応じて変動するであろうことは理解されるべきである。本明細書に示される濃度は、典型的であるにすぎず、主張される組成物の範囲又は実施を制限するよう意図するものではない。活性成分は、すべて単回で投与されてもよく、又は変動する時間間隔で投与されるべきより少量のいくつかの用量へと分割されてもよい。]
[0156] 活性化合物の投与の1つの様式は経口である。経口組成物には通常、不活性希釈剤又は可食性担体が含まれる。該経口組成物は、ゼラチンカプセルに封入されてもよく、錠剤へと圧縮されてもよく、液状で送達されてもよい。経口治療投与のために、活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれてもよく又は固体分散物若しくは固体溶液として製剤されてもよく、錠剤、トローチ剤、若しくはカプセル剤の形態で使用されてもよい。「固体分散物」が意味するのは、1つの成分が他の成分を通じて多かれ少なかれ均一に分散している少なくとも2つの成分を含む固体状態である。「固体溶液」が意味するのは、均一な製品を製造するために化学的にかつ物理的に統合された少なくとも2つの成分を含む固体状態である。固体溶液は典型的には固体分散物を上回っており、その理由は、適切な液体媒体と接触する際に液状溶液をより簡単に形成し、それにより薬物の生物学的利用率を増大させるからである。また、医薬として適合性のある結合剤及び/又はアジュバント材料も、該組成物の一部として包含してもよい。]
[0157] 7.実施例
7.1器械及び一般的な手法:
7.1.1.顕微鏡
偏光した可視光源及び偏光可能な分析装置ともに構成されたZeiss Universal顕微鏡を使用して、試料の光学特性を評価した。標本は典型的には、顕微鏡スライド上で1滴の浸油(immersion oil)及びカバーガラスを用いて包埋した。倍率は典型的には100倍であった。粒子/結晶の大きさ及び形状の観察を記録した。また、複屈折率の存在も記した。]
[0158] 7.1.2.分子分光法‐1H-NMR
0.05%(v/v)テトラメチルシラン(TMS)を有するジメチルスルホキシド(DMSO)-d6に1〜10mgを溶解することによって、試料を調製した。Varian Gemini 400MHz FT-NMR分光光度計において大気温でスペクトルを回収した。]
[0159] 7.1.3.示差走査熱量測定(DSC)
TA Instruments 2910 DSCにおいてDSCデータを回収した。一般的には、1〜10mgの質量範囲の試料をアルミニウム試料パンにおいて捲縮(crimp)し、50mL/分で窒素パージを使用して、10℃/分で25℃から約250℃又は300℃まで走査した。]
[0160] 7.1.4.熱重量分析(TGA)
TA Instruments 2950 TGAにおいてTGAデータを回収した。一般的には、5〜15mgの質量範囲の試料を、開けたままであらかじめ風袋を差し引いた白金試料パンに配置し、100mL/分で窒素パージを使用して10℃/分で25℃から約300℃まで走査した。]
[0161] 7.1.5.高温顕微鏡(HSM)
偏光した可視光源及びMettler高温付属品とともに構成されたZeiss Universal顕微鏡を使用した。標本は典型的には、顕微鏡スライド上に1滴の浸油及びカバーガラスを用いて包埋した。倍率は、典型的には100倍であった。試料を25℃から約200℃に3又は10℃/分で加熱した(Linksys 32温度制御及びデータ捕捉ソフトウェアシステム(Linkam Scientific Instruments Ltd,Waterfield,Tadworth,Surrey KT20 5LR,UK))。気泡の位相変化、再結晶、展開などの観察を記録した。]
[0162] 7.1.6.赤外分光法(FTIR)
赤外線分析のために、試料をさらに調製せずに分析した。Harrick Splitpea(商標)減衰総反射装置を装備したNicolet 510M-Oフーリエ変換赤外分光計を使用して、赤外スペクトルを得た。試料の一部をナノサンプラーの結晶に配置し、圧力適用装置を使用しておよそ2lbの力を適用した。4cm-1の解像度で4000〜400cm-1からスペクトルを獲得し、128個の走査結果を各分析について回収した。]
[0163] 7.1.7.X線粉末回折(XRD)
XYZステージ、配置のためのレーザービデオ顕微鏡、及び2次元HiStar面積検知器を装備したBruker D8 Discovery回折計を使用して、X線粉末回折パターンを得た。回収時間は名目上60秒であった。40kV及び40mAで作動するCu K-α放射1.5406Å源を使用して試料を照射した。X線光学器械は、0.5mmのピンホール視準器と連結したGobelミラーからなった。4〜40°の有効な2θ範囲を与える14.97又は14.975cmの試料-検知器距離を使用して、θ-θ連続操作を採用した。低い背景の石英プレートに試料をマウントした。可変温度高温を使用して、いくつかの実験のために試料温度を操作した。一般的には、試料調製、データ回収温度、及び他の変数に応じて、特定の特徴的なX線粉末回折ピークの位置は、当技術分野において理解されるように、約0.2°2θと同程度に、又はいくつかの場合最大0.3°2θ移行すると期待してもよい。]
[0164] 7.1.8.溶解度
各試料のmgサイズの量をバイアルに配置した。溶媒を添加し、バイアルを数分間ボルテックスした後、残留固体について視覚的に観察した。固体が溶解するまで溶媒を漸増的に添加し、又は最大容積の溶媒を添加して実験を終わらせた。これに並行して、懸濁液を作製して濾過し、固体をXRDによって検討し、位相変換が生じているかどうかを決定した。]
[0165] 7.1.9.吸湿性‐動的蒸気吸着(DVS)
(Surface Measurement Systems Ltd.,Allentown,PAにより実施)
自動動的蒸気吸着分析装置において、形態Iを実施した。試料を真空乾燥させた後、試料を機器に配置して、0%RHでもはや質量を失わなくなるまで該試料に乾燥した空気を流すことによって走査した。25℃で5%RH工程で試料を0%RHから95%RHの後に0%RHに戻すよう供した。]
[0166] 7.1.10.HPLC総面積標準化によるキラル純度
HPLC-TANを使用して、形態I、形態VIII、及び形態IXとして割り当てられた試料のキラル純度を評価した。RとSとの鏡像体間の比を決定した。面積の標準化を使用して、両鏡像体に基づいたクロマトグラフィーキラル純度を算出した。総面積の標準化によって、両鏡像体が均一な反応因子を有すると想定された。]
[0167] 使用した機器は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムであり、移動相がイソプロピルアルコール/メチルアルコール/トリフルオロ酢酸(75:25:0.0375容積)である2成分勾配性能を有していた。約0.3mg/mLの5μLの調製した試料をChiralpak AD-Hカラムに注入した。流速は0.4mL/分であった。試料を紫外線によって235nmで検出した。A/Sフラッシュは、イソプロパノール:メタノールが75:25容積であった。]
[0168] 7.1.11.Karl Fischer(KF)による水分
KF滴定を使用して、水についての分析を実施した。容量滴定及び電量滴定の両方を異なる試料に使用した。Brinkmann 716DMS Titrinoを容量滴定に使用し、Mitsubishi Moisturemeter CA-100を電量滴定に使用した。試料(7〜11mg)を正確に秤量し、滴定容器に迅速に移した後、水含有量を測定した。]
[0169] 7.2 実施例1:多形スクリーニング結果
化合物2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルをいくつかの有望な溶媒系と接触させた。表1に示すように、結果として生じる固体形態を観察した。]
[0170] 表1に示す異なる形態の命名には、1つの一水和した及び2つの無水の結晶形態を含む。]
[0171] 別の低いオーダーの形態(形態III)は水及びメタノールにおいてスラリー化し、メタノールにおいて形態Iに、水において形態VIIIに変換することが観察された。形態IIIを46℃で14日間アニーリングすると、高い結晶化度を示すXRDパターンに変化がないことが明らかになった。]
[0172] 一水和物形態(形態VIII)の特徴を研究した。脱水挙動は加熱を使用して探究した。本実験によって、好都合に(精密に)結晶性の一水和物が低い秩序の材料(形態III)に変換され、該材料が液状化し、さらなる加熱で形態Iとして結晶した。このことは、脱水が初期的に、使用した条件に応じて、低い秩序の又は完全に無秩序な固体を生じるかもしれないことを示唆する。]
[0173] また、メタノール/水溶媒系における競合的スラリー実験(架橋実験)を使用して、形態VIIIの脱水を研究し、形態I/形態VIII相互変換のための臨界水活性レベルが約40〜60容積%水であることを示唆した。加熱を使用する脱水が低い秩序の材料を生じたのに対し、形態VIIIから無水結晶形態への変換は、水和物がスラリー化するとき、有機溶媒において臨界水活性レベル未満で生じる。]
[0174] 形態Iの水和挙動を探究した。一般的に、形態Iは、何も加えていない水において実際に不溶性であり、大気温及び50℃の両方で最大6日間水においてスラリー化したとき、XRDパターンにおける変化を示さなかった。このことは、臨界水活性レベルを上回るときでさえ、形態Iが種晶にならずに形態VIIIへとゆっくり変換することを示唆している。形態VIIIの種晶が(競合的スラリーなどにおいて)存在するとき、形態Iは、形態VIIIへと変換することが容易に観察された。このことは、一旦形態VIIIが核生成する(臨界水活性レベルを上回ると期待される)と、バッチは、形態VIIIへと変換すると期待されるであろうことを示している。]
[0175] 形態IXは、大気温で(無水2-ブタノールにおいて)、形態I、VIII及びIXのうち最低の溶解度を有する。形態IXはまず、形態I及び形態VIIIの競合的スラリー実験の間に単離された。本実験からの低い収量の形態IXは、形態IX材料が、形態I及びVIIIの優先的な溶解に応じて単純に単離された(形態I材料は、残留の形態IXを含んでいた)ことを示唆している。]
[0176] 非水性溶媒における形態I及び形態IXのスラリー実験は形態IXを生じており、形態IXがより熱力学的に安定な形態であることを示唆した。]
[0177] 一般的に、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルは、2つの無水多形形態(形態I及びIX)、1つの一水和物(形態VIII)及びいくつかの溶解した形態並びに低い秩序の形態を呈する。無水形態及び水和物の両方は、水において低い溶解度を呈する。]
[0178] 形態IXは、大気温及び大気圧の下で最も安定した形態である。形態IXは、研究中に同定された最も熱力学的に安定した形態であるが、形態IXを結晶させることは困難であった。]
[0179] 形態Iは、高い水活性レベルに曝露されると、一水和物(形態VIII)へと変換することができる。それゆえ、形態Iの固体は、一実施態様において水分から保護されるべきである。]
[0180] 7.3 実施例2:粉末回折(XRD)データ
XRDは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル形態Iから得ており、図1Aに示されている。図4Aは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル形態IIIについての第二の種類のXRDパターンを示す。図3Aは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル形態VIIIについてのパターンを示す。図2Aは、(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステル形態IXについてのパターンを示す。] 図2A 図3A
[0181] 形態Iのさらなる代表的なXRDパターンを図5に示す。このパターンは、0.02°2θの工程サイズ及び4秒の工程あたりの時間を使用して回収された。形態IのXRPD角度及び算出された格子面間隔特徴の要約を表2に付与する。] 図5
[0182] 形態VIIIのさらなる代表的なXRDパターンを図6に示す。このパターンは、0.01°2θの工程サイズ及び6秒の工程あたりの時間を使用して回収された。形態IのXRPD角度及び算出された格子面間隔特徴の要約を表3に付与する。] 図6
[0183] 7.4 実施例3:熱挙動
示差走査熱量測定及び熱重量分析によって、形態Iの熱挙動を決定した。形態IバッチのDSCサーモグラムは、複数の熱事象を呈した。わずかな吸熱反応が116℃近く(約1J/g)で始まった後、153℃(11J/g)で広範囲の発熱反応が始まり、それに続いて、213℃(86J/g)で鋭い吸熱反応が生じた。最終的な吸熱反応は融解に寄与した。試料は、融解した後に素早く崩壊し始め、240℃での総重量損失は約0.7重量%であった。図1Bは、DSC及びTGAのサーモグラムの重ね合わせを示す。]
[0184] 熱挙動を特徴づけるのを助けるために、形態Iに関する可変温度X線回折(vtXRD)実験を実施した。形態Iの試料をXRDカメラにおいて25℃から225℃に加熱した。形態Iの回折パターンは、試料が融解する約225℃までほとんど変化を呈しなかった。DSCを使用して115℃から170℃まで観察されるわずかな熱事象は、vtXRDを使用して観察されなかった。図1Cは、温度の関数として一貫した構造を示すvtXRDの積層したプロット回折グラムを示している。] 図1C
[0185] 示差走査熱量測定及び熱重量分析によって、形態IIIの熱挙動を決定した。形態IIIのDSCサーモグラムは、形態Iと同様の熱事象を呈したが、例外として、わずかな事象が非常により顕著であった。わずかな吸熱反応は116℃近く(約4J/g)で始まった後、165℃(65J/g)で広範な再結晶化発熱事象が、212℃(82J/g)で鋭い融解吸熱反応が始まった。TGAは、240℃での0.7重量%の総重量損失を示している。XRD、DSC及びTGAのデータは、この試料が部分的に非晶質性の(及び部分的に結晶性の)無水材料であったことを示している。図4Bは、DSC及びTGAのサーモグラムの重ね合わせプロットを示す。]
[0186] 形態IIIに関する可変温度x線回折実験を実施して、材料の挙動を特徴づけるのを助けた。試料を25℃から180℃までXRDユニットにおいて加熱した。XRDパターンは、20.4°2θで110℃における主要ピークの強度の低下を明らかにし、偶発的に、総じて非晶質となった。試料はこの温度で透明であり液状化した。試料を50℃に冷却し戻すと、形態Iの結晶化を結果として生じた。これらの変化は、DSC熱事象をさらに説明した。試料は、DSCサーモグラムにおいて吸熱性ピークとして観察されるように、約115℃でゆっくりと非晶質になり、最終的には融解し、170℃で再結晶した。図4Cは、vtXRD回折グラムの重ね合わせプロットを示す。高温顕微鏡データは、この試料の加熱の際の熱変化の明らかな証拠を提供した。試料を20℃/分で加熱し、画像を約6°ごとに撮影した。固体は、偏光顕微鏡を使用して複屈折であった。87℃から122℃まで、いくつかの粒子は元の位置からわずかに移行した。125℃で、固体は複屈折を失い始め、ゆっくりと融解した。試料は約174℃までにほぼすべて融解した後、融解からゆっくりと再結晶し始めた。再結晶した固体は約224℃で融解した。] 図4C
[0187] 試料の結晶化度を高めるために何も加えていないメタノールにおける形態III材料に関して熟成実験を実施した。過剰量の形態IIIを先の溶媒において大気温で約1日間配置し、固体を濾過してXRDデータを回収した。形態III材料は、これらの実験条件下で形態Iへと変換した。水における3日間の形態IIIの非競合的スラリーは、結果的に形態VIIIを生じた。]
[0188] 形態VIIIの熱挙動は、示差走査熱力測定及び熱重量分析によって検討した。形態VIIIのDSCサーモグラムは、複数の吸熱反応を呈した。105℃(113J/g)を上回って開始する幅広の吸熱反応は、およそ4重量%のTGA重量損失と一致し、これは、約1モルの水に相当する。169℃(65J/g)での吸熱反応は、試料の再結晶化に寄与した。213℃近くの吸熱反応領域は、再結晶した試料の融解に寄与した。試料は、脱水後に一定重量に到達し、最終的には240℃を上回ると崩壊した。図3Bは、DSC及びTGAのサーモグラムの重ね合わせを示す。]
[0189] 形態VIIIの高温マイクログラフを取った。試料をシリコーン油においてマウントし、25℃から1分あたり10℃で加熱した。形態IIIの試料と同様に、粒子は約82℃でその位置を移行し始めた。125〜140℃の範囲における気泡の進化は、幅広のDSC吸熱反応及びTGA重量損失と一致する揮発性物質の進化を示すと記された。大部分の試料は脱水の過程で液状化し、この過程に関与する高いエントロピー(113J/g)の値を考慮すると、水分子が結晶構造における重要な役割を担っているかもしれないことを示唆した。次に、試料は144℃〜198℃の範囲で融解からゆっくりと再結晶した。試料のバルクは214℃で融解したが、いくつかの残留結晶材料は254℃でさえ融解しなかった。]
[0190] 形態VIIIに関する可変温度x線回折実験を実施して、熱挙動を特徴づけるのを助けた。試料をXRDユニットにおいて25℃から185℃に加熱した。試料は約75℃でピーク強度を失い始め、120〜150℃の範囲で総じて非晶質となった。160℃で、形態Iのパターンが観察され、脱水後、試料が形態Iとして再結晶することを示した。HSM及びXRDにおける観察は、DSC吸熱反応及びTGA重量損失と一致した。図3Cは、XRD回折グラムの重ね合わせを示す。]
[0191] 7.5 実施例4:
7.5.1.溶媒再結晶化
およそ100の異なる結晶発達条件の下で材料を溶媒再結晶した。再結晶化実験のスケールはおよそ15mLであった。結晶発達条件を変化させる主要な手段は、可変溶媒を使用して達成した。また、飽和温度、発達温度、及び蒸発速度(相対的超飽和)を変化させて、結晶発達条件におけるさらなる差異を作った。]
[0192] 飽和温度における多様な溶媒系と接触させて過剰量の検査材料を撹拌することによって、飽和した溶液を調製した。母液を残留固体から濾過によって分離した。次に、飽和温度を上回って母液を加熱し(過剰加熱し)て、いずれの残留固体も溶解した。次に、溶液の温度を発達温度に調整し、制御された窒素剪断流を導入して、溶媒蒸発を始めた。]
[0193] 全体的に、多形スクリーンを5つの異なる再結晶化パネルに分割した。5つのパネルについての脱飽和条件を表4に要約する。各パネル内のウェルは、異なる溶媒組成物を含んでいた。各ウェルに異なる溶媒組成物があるので、各ウェルは異なる結晶発達実験として作用した。溶媒ベースの多形スクリーンの一部の間に使用した5つの再結晶化パネルについての組成溶媒マトリックスを表5〜9に示す。]
权利要求:

請求項1
(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルの結晶形態。
請求項2
無水物である、請求項1記載の結晶形態。
請求項3
X線粉末回折ピークを約21.8°2θにおいて示す、請求項1又は2記載の結晶形態。
請求項4
X線粉末回折ピークを約9.3°2θにおいて示す、請求項1〜3のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項5
X線粉末回折ピークを約21.3、23.8、及び26.1°2θにおいて示す、請求項1〜4のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項6
図1AのX線粉末回折パターンに実質的に相当する、請求項1〜5のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項7
図5のX線粉末回折パターンに実質的に相当する、請求項1〜6のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項8
約213℃の開始温度で示差走査熱量測定吸熱を示す、請求項1〜7のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項9
約25℃から約219℃まで加熱したときに、総質量の約1.0%未満の熱重量分析での重量損失を示す、請求項1〜8のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項10
赤外分光ピークを約3284及び3063cm-1において示す、請求項1〜9のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項11
赤外分光ピークを約1619及び1010cm-1において示す、請求項1〜10のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項12
図7の赤外スペクトルに相当する、請求項1〜11のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項13
図8の赤外スペクトルに相当する、請求項1〜12のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項14
水を含む、請求項1記載の結晶形態。
請求項15
一水和物である、請求項1又は14記載の結晶形態。
請求項16
X線粉末回折ピークを約20.2°2θにおいて示す、請求項1、14、及び15のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項17
X線粉末回折ピークを約13.4°2θにおいて示す、請求項1及び14〜16のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項18
X線粉末回折ピークを約6.7、9.4、及び21.8°2θにおいて示す、請求項1及び14〜17のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項19
図3AのX線粉末回折パターンに実質的に相当する、請求項1及び14〜18のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項20
図6のX線粉末回折パターンに実質的に相当する、請求項1及び14〜19のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項21
約105℃の開始温度で示差走査熱量測定吸熱を示す、請求項1及び14〜20のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項22
約213℃の開始温度で示差走査熱量測定吸熱を示す、請求項1及び14〜21のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項23
約25℃から約120℃まで加熱したときに、総質量の約3%〜約5%の熱重量分析での重量損失を示す、請求項1及び14〜22のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項24
赤外分光ピークを約3301及び3147cm-1において示す、請求項1及び14〜23のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項25
赤外分光ピークを約1623及び1019cm-1において示す、請求項1及び14〜24のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項26
図9の赤外スペクトルに実質的に相当する、請求項1及び14〜25のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項27
図10の赤外スペクトルに実質的に相当する、請求項1及び14〜26のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項28
図11の赤外スペクトルに実質的に相当する、請求項1及び14〜26のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項29
アルコール溶媒中において(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]-(R)-ホスフィン酸メチルエステルを結晶させる工程を含む、請求項1〜28のいずれか1項記載の結晶形態を製造する方法。
請求項30
前記アルコール溶媒が、水における過剰量のメタノールである、請求項29記載の方法。
請求項31
前記アルコール溶媒がメタノールを含む、請求項29記載の方法。
請求項32
(2-カルバモイル-5-クロロ-1H-インドール-3-イル)-[3-((E)-2-シアノ-ビニル)-5-メチル-フェニル]ホスフィン酸メチルエステルのR異性体とS異性体との混合物の結晶形態。
請求項33
無水物である、請求項32記載の結晶形態。
請求項34
X線粉末回折ピークを約22.7°2θにおいて示す、請求項32又は33記載の結晶形態。
請求項35
X線粉末回折ピークを約11.8°2θにおいて示す、請求項32〜34のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項36
X線粉末回折ピークを約6.9及び22.3°2θにおいて示す、請求項32〜35のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項37
図2AのX線粉末回折パターンに実質的に相当する、請求項32〜36のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項38
示差走査熱量測定によって測定される、約25〜247℃で実質的な熱事象を示さない、請求項32〜37のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項39
約25℃から約200℃まで加熱したときに、熱重量分析で総質量の約1.0%未満の重量損失を示す、請求項32〜38のいずれか1項記載の結晶形態。
請求項40
請求項1〜28及び32〜39のいずれか1項記載の結晶形態と1つ以上の医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤とを含む医薬組成物。
請求項41
前記結晶形態が純粋な形態である、請求項40記載の医薬組成物。
請求項42
前記組成物が固体経口剤形で提供される、請求項40又は41記載の医薬組成物。
請求項43
前記組成物が、エムトリシタビン及びテノホビルジソプロキシルフマラートをさらに含む、請求項40〜43のいずれか1項記載の医薬組成物。
請求項44
請求項40〜43のいずれか1項記載の医薬組成物を投与することを含む、HIV感染を治療し又は予防する方法。
請求項45
前記方法が追加的な活性剤を投与することを含む、請求項44記載の方法。
請求項46
前記追加的な活性剤が、エムトリシタビンとテノホビルジソプロキシルフマラートとの合剤である、請求項45記載の方法。
請求項47
HIV感染と関連した症状を治療し、予防し、寛解させ、又は管理するための薬物の製造における、請求項40〜43のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。
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